職場の離職率が高いと、人手不足になり生産性が下がるのはもちろんのこと、採用担当者の採用業務増などのデメリットが想像されます。また離職率の高さは、職場のイメージダウンにもつながるでしょう。離職者が多いことに悩む場合には、離職の兆候を素早く察知し、未然に防ぐことが大切です。
そこで当記事では、従業員が見せる退職の予兆をはじめ、離職を未然に防ぐ方法などを解説します。離職率でお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。
目次
多くの従業員が見せる離職の兆候とは
従業員が「ある日突然退職した」と思った場合にも、実は退職の前から、離職の兆候を見せているケースが大半です。
まずは、多くの従業員が見せる「離職の兆候」について解説します。
周囲とコミュニケーションをとらなくなる
今までは周囲と一緒にお昼を食べたり、ミーティングで発言していた人が、周囲とコミュニケーションをとらなくなると要注意です。退職を考え出した人は、周囲との関わりを避ける傾向にあるからです。
コミュニケーションが減った心理的な背景として、以下の内容が挙げられます。
- 辞める会社の人と関わる時間を無駄と捉える
- 退職への罪悪感がある
- 心の整理をしたいので1人になりたい
しかし、体調不良やプライベートの悩みなどで、コミュニケーションをとらなくなる事例も見受けられます。コミュニケーションが減ったからといって、退職の予兆と決めつけるのではなく「同様の状態がつづいたか否か?」で判断すると良いでしょう。
遅刻・早退・欠勤などが増える
退職を考え、次の職場を探しだすと、遅刻・早退・欠勤などが増えることもあります。なぜなら、気になる企業との面接や、転職エージェントなどとの面談に時間を費やすからです。面接や面談は平日に実施することが多く、転職活動を開始すると、どこかで休まざるを得ないケースもあるでしょう。
また転職先を見つけていなくとも、退職したい従業員は、モチベーションダウンしているケースが大半です。そのため、気乗りしない日は、遅刻・早退・欠勤をすることがあります。
とはいえ、有給申請時に「理由を聞く行為」は危険です。違法やハラスメントに該当する可能性があるのはもとより、干渉してきた企業に対し、さらなるマイナス感情を抱く可能性があるからです。
積極的な行動や発言が減る
退職を考える社員は、積極的な行動や発言が減る傾向にあります。退職を考え出した人は、業務へのモチベーションが低下し、仕事への興味や情熱が消失していることも多いからです。興味を失った企業や仕事に対し、自発的な行動や発言が減るのは当然でしょう。なぜなら、企業や仕事に対し「(現状より)良い状態を目指そう」という思いがなくなるからです。
責任感のある人であれば、退職を決意した場合にも、与えられた業務は着実にこなします。しかし、新たな知識の習得や、自ら提案する機会は着実に減っていきます。
会議で発言するケースがあったにも関わらず、最近は「沈黙が多い」などという社員が存在すれば、気持ちが離職に傾いている可能性があるでしょう。
仕事の作業効率が低下した
退職を考え出すと、前述のとおり、モチベーション低下によって「行動や発言が消極的」になります。仕事に対し消極的になると、注意力が散漫になりやすく、生産性が低下しがちです。生産性が低下すれば、仕事に対する一定のクォリティ維持が難しくなり、商品やサービスの品質低下に直結します。
また、注意力散漫な状態で仕事をつづければ、ときに重大なミスが発生する可能性もあるでしょう。社内で収拾できるミスであればまだしも、外部に影響するミスが発生した場合には、イメージダウンや取引先減少などの事態も考えられます。
従業員のミスが多く、心がここにあらずな状態であれば、退職への意志が固まっている可能性もあるでしょう。
離職の兆候を素早く検知すべき理由
離職の兆候を検知したら、素早く対処する必要があります。
その理由は以下のとおりです。
離職の兆候はどんどん悪化する
離職の兆候が見えても、放置していれば、兆候が回復することは滅多にありません。放置すれば、離職への気持ちが加速し、最終的には退職してしまうでしょう。
しかし、「兆候の段階」で適切な対処をすれば、離職で沈んだ気持ちを回復させることも可能です。そのため、一刻も早く離職の兆候に気づき、然るべき対処をする必要があります。
周囲のモチベーションダウンにも影響する
マイナスな気持ちで離職する人がいると、それを見ていた周囲のモチベーションも下がることがあります。つまり、1人の「離職の兆候」に対処しなかった結果、その人はもちろんのこと、周囲の人も負の影響を受けることがあるのです。影響された従業員が、退職しなかったとしても、意欲が低いまま業務を行なえば良い仕事はできません。
そのため、誰か1人でも「離職の兆候」を察知したら、すぐに対処すべきだといえます。
離職者対応と採用業務に追われる
離職の兆候を見過ごし、結果的に退職者が増えれば、退職者への諸々の手続きはもちろんのこと、新たな人材の採用業務に追われます。採用担当者は、採用業務だけを行なうのではないため、ほかの業務を滞らせてしまう可能性があるでしょう。業務の滞りは、関係者に負担をかけ、新たな人物へのモチベーション低下を招きがちです。
離職者対応と採用業務に追われ、ほかの業務や他者に悪い影響を与えないためにも、離職の兆候を素早く察知すべきです。
離職防止に必須な3つの方法
つづいて、離職防止に必須な3つの方法を紹介します。
離職者に悩む場合には、日常的に以下の方法を実施すると良いでしょう。
日常的にコミュニケーションをとる
従業員と日常的にコミュニケーションをとっていれば、離職の兆候が見られた際に、初期段階で気づけます。離職の兆候があれば、時期が早ければ早いほど、対処法をとった場合の効果も高まるでしょう。
また日常的にコミュニケーションを意識していれば、従業員の悩みにもいち早く気づけるため、離職の兆候が見える前に解消できる可能性もあります。また1on1面談を実施し、同じ目標に対する話をしても、コミュニケーションにつながります。1on1では、人事評価制度の個人目標設定や、目標達成度の振り返りなどを実施するとよいでしょう。
職場環境の整備
職場環境の悪さは、モチベーション低下に直結します。評価制度・人間関係・待遇といった「職場環境」が整うほど、従業員の安心感・信頼感につながり、モチベーション低下も防げます。
そのため、職場環境に問題がないかをチェックしてみることも大切です。実際に、従業員に対して「職場環境に対するアンケート」を実施しても良いでしょう。
モチベーションが高められる人事評価制度を用意
前述で、離職を未然に防ぐ方法として、職場環境の整備を紹介しました。職場環境の整備をどこから進めて良いかわからない人は、人事評価制度の用意・整備からはじめると良いでしょう。なぜなら、適切な人事評価制度を用意できれば、「良好な人間関係の維持」や「適切な待遇の用意」につながるからです。良好な人間関係や適切な待遇に直結する評価制度は、従業員のモチベーションを高められます。モチベーションが高まれば、離職したい思いを抑制できるでしょう。
手遅れになる前に離職の兆候に気づくことが明暗をわける
社員に離職の兆候があったとしても、初期の段階では「少し元気がないかな?」程度にしか考えないことがほとんどです。
実際に企業担当者が「離職の兆候」を自覚するときには、他社への入社が決まっていたり、退職がゆるぎないものになっている段階が多いでしょう。企業担当者が「あの社員、離職しそう」と思ったときには、手遅れなケースも多々見受けられます。
つまり、退職の意志が固まるデッドラインの前に、離職の兆候に気づくことが大切です。
早い段階で離職の兆候に気づくには、従業員満足度アンケートを取りながら、前回と今回の差異を比較するとよいでしょう。差異が発生した場合、モチベーションダウンの予兆になります。
初期段階で離職の兆候を発見するには
初期段階で離職の兆候を発見すれば、離職の連鎖を止めることにつながります。初期段階で離職の兆候を発見するには、常にコミュニケーションをとりながら、職場環境や評価制度などを整備することが大切です。
とはいえ、それでも離職の兆候を見逃すこともあるでしょう。
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