世の中には「人事評価制度がない会社」が存在します。
評価制度を用意していない会社は、実際のところうまくいっているのでしょうか?
当記事では、評価制度がない場合のメリット・デメリットや注意点を解説します。
「評価制度って本当に必要なの?」
「評価制度を用意していないけれど、現状維持で良い?」
このように考える企業様は、ぜひ参考にしてください。
目次
人事評価制度がない企業 その背景とは?
人事評価制度がない企業は、なぜこういった状況を選んでいるのでしょうか?
主な背景は以下の通りです。
従業員数が少ない
従業員が少ない企業は、日頃から上司・部下が密接にコミュニケーションを取れると考え、評価制度を用意しないケースがあります。
適切にコミュニケーションを取れているので、評価制度がなくても各自の頑張りを評価できると考えています。
とくに「たちあげて間もない企業」や「少数精鋭を貫く考えの企業」は、今後も人事評価制度を導入しないと考えるかもしれません。
成果が明確な仕事である
各自の売り上げなどで判断する仕事は、成果が明確な仕事だと言えます。
「成果=評価」と定める企業は、成果を見れば評価結果を導き出せるため、人事評価制度を不要と考えます。
状況が変化し、バックオフィス業務といった「成果で判断しにくい仕事」も導入すると、評価制度の採択を考えることもあるでしょう。
評価制度の設置で不満・問題が発生した
以下のようなケースでは、評価制度を設置していたものの、制度自体を廃止するケースも見受けられます。
・従業員から「評価結果が不公平だ」と不満を漏らされた ・評価制度が原因で離職が相次ぐ |
本来「評価制度」は、会社の未来を不安定にするのではなく、持続的発展に寄与するものです。
不満や問題の発生には、不適切な制度設計や、運営方法が誤っているなどの背景が潜んでいます。
評価制度を廃止したものの「評価に変わる手段」を用意していないケースは、単に「問題解消のために廃止した」状態だと言えます。
こうしたケースでは、「従業員を管理できない」「モチベーションが高まらない」といった別の問題が発生する可能性もあります。
人事評価制度がないメリットとは?
人事評価制度がない会社には、以下のようなメリットがあります。
評価を気にせず業務に取り組める
評価制度があると、人によっては「評価を意識した行動」を行なうかもしれません。
評価を意識した行動(例) |
・新規顧客を獲得すると評価が高くなるので、既存顧客へのフォローにとどまらず、積極的に新規顧客へもアプローチする ・チームワークを無視すると低評価になるので、個人プレーに走らず、周囲と協力しながらの業務達成を目指す |
評価制度がなければ、評価を気にせず業務に取り組めるため、プレッシャーが少なく自由な気持ちで過ごせます。
ただし自由を喜ぶ人も、会社生活が長くなれば「自分の成果・行動をしっかりと評価してほしい」と思うケースも少なくありません。
管理者の評価業務がなくなる
人事評価に関する業務は、制度の構築・見直し、運用、フィードバックなど、多岐にわたります。
場合によっては通常業務を圧迫し、本来の業務がおろそかになるかもしれません。
そもそも人事評価制度がなければ、人事担当者や管理職の「評価業務」がなくなるため、その分の時間をほかに使えます。
ただし「評価しない」ことから、従業員のモチベーション低下などにつながる恐れがあり、離職者への対応に時間を割かれるかもしれません。
また評価業務が管理者の通常業務を圧迫する場合には、システム活用や運用を外部に依頼するといった方法もあります。
不適切な評価制度は、廃止で状況改善する
人事評価制度は適切な構築・運用をすることで、きちんと機能するものです。
裏を返せば、構築段階でミスが発生したり運用面に問題があれば、評価制度は機能しません。
機能しない評価制度は、離職率アップや生産性低下といったデメリットを生じさせます。
人事評価制度が不適切な内容であれば、廃止することによって、デメリットが改善する可能性もあります。
ただし、不適切な評価制度の廃止で状況が改善しても、一時的な効果にすぎません。
長期的な目線で、会社の持続的発展を視野に入れるのであれば、適切な評価制度を再度導入すべきだと言えます。
人事評価制度がないデメリットとは?
人事評価制度がない会社では、以下のようなデメリットが発生します。
管理職にストレスがかかる
人事評価制度がない状況は、「評価する軸がない」と言い換えられます。
そのため、部下の「昇給」や「昇進」は、管理職が個別に対応せざるを得ません。
管理職のマネジメント力や評価能力が問われるとともに、結論を下す際に心理的ストレスを受けやすいでしょう。
場合によっては、従業員から不満をもたれるため、管理職のモチベーション低下・社内の人間関係悪化につながります。
生産性の低下
人事評価制度がない場合には、以下の二択が基本です。
・評価自体を実施しない ・上司などの主観で評価が行なわれる |
評価自体を実施しなければ、当然「従業員の評価」は決まりません。
また上司などの主観が混じった評価は、正しい結果を導けないでしょう。
「評価されない」または「不適切な評価結果」は、従業員のモチベーションを低下させてしまいます。
モチベーションが低ければ仕事に身が入らず、ミスの誘発やチーム全体の生産性低下を招くでしょう。
離職率が高まる
人事評価制度が用意されていないと、前述のように「モチベーション低下→生産性の低下」につながりがちです。
やる気が起こらなければ、嫌なことが発生した際や、やりがいのある仕事を見つけた際に離職を考えるでしょう。
離職率が増えると、周囲の従業員に業務のしわ寄せがきたり、社内の雰囲気悪化につながるため、さらなる離職者が増えやすくなります。
人事評価制度を用意しない場合の注意点とは?
さまざまな事情があり、人事評価制度を用意しない場合もあるでしょう。
こうしたケースで注意すべき内容は、以下の通りです。
評価制度の代わりになる仕組みが必要
人事評価制度がない状況は、良い言い方をすれば「自由」であり、別の言い方をすれば「社員を放置した状態」だと言えます。
完全な放置は、「自分のことを見てくれない」と感じさせるため、離職率アップやモチベーション低下につながります。適切な育成もできないため、組織自体がうまく機能しにくいでしょう。
人事評価制度を用意しない場合には、代わりになる仕組みが必要です。
たとえば、A、Bといったランクをつけず、代わりに1on1ミーティングを通じて査定する「ノーレイティング」が挙げられます。
「定期的な評価まではちょっと。。」と考える場合には、リアルタイムポイント評価などもオススメです。
コミュニケーション促進を意識
人事評価制度がないうえに、コミュニケーションが希薄であれば、企業と従業員の「きずな」も薄くなるでしょう。エンゲージメントはもちろんのこと、モチベーションも低下しがちです。
人事評価制度を用意しない場合には、「コミュニケーション促進」への意識がいっそう必要です。
~コミュニケーション促進(例)~ ・定期的な1on1の実施 ・コミュニケーションツールの導入 |
意欲低下への対策
評価制度が存在しないと、「自分に何が期待されているか?」や「どうすれば褒められるか?」といった部分がわかりません。
不透明な仕組みのもとでは、手探りで業務を行なうため、仕事への意欲を失わせるとともに日々のやりがいを奪ってしまいます。
そのため、評価制度を用意しない場合には「意欲低下を防ぐ」対策が不可欠です。
意欲を向上させるには、他者からの賞賛が役立ちます。
リアルポイント評価などを導入し、従業員同士で褒め合う仕組みを作れば、モチベーションアップにつながるでしょう。
まとめ:人事評価制度は用意した方が良い
評価制度を用意しない確固たるポリシーがない限り、制度は用意した方が良いでしょう。
適切な人事評価制度は、企業・従業員双方の成長につながり、モチベーションや生産性アップ、最適な人材配置を実現できます。
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