人事評価で使われる「絶対評価」と「相対評価」について、どちらが良いのか?と悩むケースは多く見受けられます。
また、最近のトレンドも知りたいところです。
当記事では、絶対評価と相対評価のメリット・デメリットを紹介するとともに、最近の傾向や注意点を解説します。
自社の評価体制を整えたい企業様は、ぜひ参考にしてください。
目次
最近の傾向は絶対評価
結論から言うと、昨今における人事評価制度の傾向は「絶対評価」です。
絶対評価は、目標の達成度によって評価が決まるため、「自分がどれだけ頑張ったか?」で判断される評価手法だと言えます。
評価結果に、他者の存在は一切関係ありません。
一方相対評価は、集団内の「自分の順位」によって評価結果が決まるため、他者の存在が評価結果を左右します。
集団内で上位の成績であれば評価が高く、下位層であれば低評価だと言えます。
最近の傾向として、絶対評価が注目される理由は次項に続きます。
絶対評価が注目される理由・メリットとは?
絶対評価が注目される理由とメリットは、以下の通りです。
1、従業員の納得を得やすい
絶対評価は、あくまで「自分がどれだけ頑張ったか?」で評価されるため、日頃の努力がダイレクトに評価にあらわれます。
そのため、従業員が評価結果に納得しやすいことが特徴です。
一方相対評価は、「自分が頑張っても、周囲が自分以上に優秀だと低評価がつく」ため、努力の度合いに関係ありません。周囲との順位で低評価がついてしまいます。
そのため、とくに成績最下位層の従業員から不満を受けやすいでしょう。
企業は従業員の納得を得ることで、各自のモチベーションが上がると考えるため、絶対評価への注目が高まっています。
2、若年層との相性の良さ
昨今の若年層は、学生時代に絶対評価の教育を受けており、他者との競争より「協調」や「助け合い」が大切だと教えられています。
企業に対しても同様のことを求めるため、他者と比較されると抵抗感を覚えがちです。
こうした若年層に、完全なる相対評価で評価すれば、嫌がられることは目に見えています。モチベーションを保ち、生産性アップを期待する企業は、若年層のことも視野に入れ絶対評価を取り入れています。
3、役割主義との整合性
現在、年功序列制をベースとした「メンバーシップ型」がメインの企業は減少傾向です。
メンバーシップ型が減少した後には、「結果を出したか?」を重視する成果主義に注目が集まり、昨今では「与えた役割をどれだけこなしたか?」を重視する役割主義にシフトしています。
役割主義は、あくまで「自分が」与えられた役割をどれだけこなしたか?で判断するため、他メンバーが優秀かどうかは関係ありません。
そのため他者の存在が関係ない「絶対評価」と相性が良く、絶対評価が注目されるきっかけになっています。
4、生産性の向上
絶対評価では、自分の頑張りが評価されるため、「全員が高い評価」になるケースもあるでしょう。
一方相対評価では、評価結果の人数配分が決められている特性上、必ず高評価者と低評価者が出てきます。
低評価者のモチベーションは下がり、彼らの生産性低下や離職にも直結します。影響は低評価者にとどまらず、回り回って高評価者にもおよぼすでしょう。
人数制限を設けず「頑張っている人に高評価を付与」できれば、熱意がある人のモチベーションを高く保てることから、個人はもとより企業としての生産性も向上します。
そのため、能力に関係なく「頑張った人を評価できる」絶対評価が注目されます。
絶対評価には課題もある
昨今において注目される絶対評価には、メリットもあれば課題もあります。
課題は以下の通りです。
人事担当者への負担が大きい
絶対評価は比較対象が自分自身であるため、各自に適した目標設定や評価基準が必要です。
目標設定に費やす「従業員とすり合わせる時間」や、各自に合致かつ企業目標ともリンクするような「評価基準の設定」には、多くの時間を費やします。
他者との比較で評価できる相対評価と比較すると、人事担当者への負担が大きいと言えます。
絶対評価を取り入れる場合には、人事担当者の負担を軽減すべく、専用システムを導入するといった物理的な軽減方法も視野に入れると良いでしょう。
人件費を調整しにくい
相対評価であれば、「高評価が全体の30%、中評価が50%、低評価が20%」のように、あらかじめ割合を決められるため、給与やボーナスにかかる金額を予想できます。
つまり相対評価の場合には、トータルで発生する人件費を前もって把握できると言えます。
一方絶対評価の場合には、多くの人が高評価になる可能性もあり、トータルで発生する人件費を予想しにくいでしょう。
そのため絶対評価を取り入れる企業は、全員が高評価になったことを想定しつつ、人件費を考慮する必要があります。
プロセスを反映しにくい
絶対評価は「目標の達成度」で決まるため、達成できたかどうか?で評価されることが特徴です。
今まで以上に努力しても、不景気で売り上げを達成できないといった「外的要因」の影響で売り上げが低ければ、低評価になります。
頑張りが外的要因にかき消される状況は、従業員のモチベーションを下げてしまいます。
そのため、絶対評価を取り入れている場合には、プロセスも反映できるような仕組みも取り入れると良いでしょう。
評価者の「評価スキル」が求められる
相対評価の場合には、良い・普通・悪いといった各評価に、それぞれ何人を割り当てるかが決まっています。
一方、絶対評価に人数配分はありません。
人数制限という基準がないため、極端な話、全員「良い評価」や「悪い評価」になることもあるでしょう。
評価基準がないことは自由な反面、評価者の評価スキルがダイレクトに影響します。
つまり、絶対評価を導入する場合には、評価者の「評価スキル」が求められると言えます。
評価スキルの影響や評価エラーを最小限にとどめるべく、ストッパーやサポーターとなるような評価項目を整備する必要があります。
適切な評価にはバランスが重要
最近の傾向は「絶対評価」であるものの、完全なる絶対評価を採択し成功する企業はごく一部です。
なぜなら、「絶対評価には課題もある」の項目で紹介したように、以下のような問題が発生するからです。
- 人事担当者の負担増
- 人件費が多くかかる可能性
- プロセスを反映しにくい
人事担当者の負担が増えれば担当者にストレスがかかり、人事担当者の生産性低下や離職につながります。
人件費が多くかかる可能性を考慮すると、金銭的に余裕がある企業以外は、ある程度のストッパーとなる要素を取り入れる必要があるでしょう。
また従業員のモチベーション維持には、プロセスを反映することも必要です。
以上のことから、人事評価は絶対評価だけではなく、相対評価の要素も取り入れ「バランス」の配慮が大切だと言えます。
まとめ:適切な評価制度は企業によって異なる
昨今の傾向は「絶対評価」ですが、一概に「絶対評価だけを取り入れればうまくいく」とは限らないと分かりました。
適切な評価制度を作るには、絶対評価と相対評価のバランスが必要であり、バランス配分は企業によって異なります。自社に適した評価制度を用意したい場合には、自社に合わせてカスタマイズ可能な人事評価システム「ヒョーカクラウド」がオススメです。
また同社の「人事評価構築パッケージ」を活用すれば、専任の担当者が人事評価システム「ヒョーカクラウド」の構築からサポートいたします。
適切な人事評価を実施したい企業様は、「ヒョーカクラウド」「人事評価構築パッケージ」を検討してみては如何でしょうか?
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