人事評価を行なううえで、絶対評価と相対評価の話題は外せません。
こうしたなかで「絶対評価と相対評価はどちらが良い?」や「絶対評価と相対評価の違いは?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか?
当記事では、絶対評価と相対評価の違いを比較表でまとめ、両者のメリット・デメリットも紹介します。優劣についても触れるため、絶対評価と相対評価への理解を高めたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
絶対評価・相対評価の定義とは?
まずは、絶対評価と相対評価の定義について解説します。
絶対評価とは?
絶対評価とは、目標に対する達成度で処遇を決める評価方法であり、他者の存在は一切関係ありません。
目標が達成できれば評価が高くなり、達成できなければ評価が低くなります。
たとえば、70点以上の点数を取れた人が全員合格できる「簿記3級」の資格は、絶対評価です。
相対評価とは?
相対評価とは、他者と比較し「自分がどこの位置にいるか?」によって、結果が変わる評価方法です。絶対評価とは異なり、他者の存在がダイレクトに反映します。
優秀な成績だとしても、周囲がそれ以上に優秀な成績をおさめれば、低い評価結果になってしまいます。
相対評価の例をあげると、運動会の50m走です。
自身の最高記録である7秒5で走れたにもかかわらず、周囲が7秒5よりも早ければ、最下位という位置づけになります。
【比較表で解説】絶対評価と相対評価の違い
つづいて、絶対評価と相対評価の違いについて解説します。
比較表も用意しているので、ぜひチェックしてみてください。
絶対評価と相対評価の決定的な違い
絶対評価と相対評価の決定的な違いは、以下の2点です。
1、評価に割り当てる人数
絶対評価は、目標の達成度で評価結果が決まるため、「全員が最高評価」になることもあるでしょう。また、評価に割り当てる人数に制限はありません。
一方相対評価は、集団の順位で評価結果が決まるため、「良い」「普通」「悪い」といった各評価に割り当てる人数があらかじめ設定されています。
2、比較対象
絶対評価は目標の達成度によって評価結果が決まるため、比較対象は「会社から期待されている自分」だといえます。
一方相対評価は、「会社から期待されている自分」の条件をクリアしても、周囲がそれ以上に優秀であれば評価結果が低くなります。
そのため、比較対象は「自分以外の従業員」だといえます。
【比較表】で見る絶対評価と相対評価の違い
前述の内容を踏まえたうえで、絶対評価と相対評価の違いを比較表でまとめました。
絶対評価 | 相対評価 | |
定義 | 目標に対する達成度で評価する手法 | 他者との位置関係により評価する手法 |
他者の存在 | 無関係 | 関係あり |
従業員の納得度 | 納得しやすい | 結果によっては納得されない |
評価のしやすさ | 評価しやすい | 適切な評価にはコツが必要 |
メリット | ・モチベーションを上げやすい ・各自の成長を反映できる ・課題が明確になる | ・評価しやすい ・評価のバランスが取れる ・競争心を養える |
デメリット | ・評価基準の設定に時間を要する ・目標設定がむずかしい ・評価者のスキルが問われる | ・各自の成長を反映できない ・モチベーションを欠きやすい ・集団のレベルに左右される |
絶対評価と相対評価_どちらが良いの?
結局、絶対評価と相対評価はどちらが良いのでしょうか?
絶対評価と相対評価の運用ポイントを踏まえながら、両者の優劣について考えてみましょう。
絶対評価の運用ポイント
絶対評価に他者の存在は関係なく、「本人の頑張り」によって評価されます。
そのため、「個人に合った目標設定」や「プロセスを評価結果に適切に反映する」といったことが求められます。
「個人に合った目標設定」には、個人と会社の双方でのすり合わせが必要です。また「プロセスを評価結果に適切に反映する」には、評価基準の設定やフィードバックの実施が欠かせません。
つまり絶対評価は、会社にとって運用上の負担が大きいことも事実です。
そのため、評価担当者の負担を減らすべく、システムを活用するといった物理的負担の軽減も視野に入れると良いでしょう。
絶対評価の運用は手がかかるものの、適切に実施できれば人材育成につながります。
相対評価の運用ポイント
相対評価は、他者との比較によって評価結果が決まるため、集団の上位にいるような優秀な人材に競争意識を持たせることが可能です。
一方で、集団の最下位に位置する社員には、「これ以上評価結果が下がることはないから、努力しなくて良いだろう」と思わせてしまう可能性があります。
そのため、下位層の社員には以下などの対応が求められます。
- 別のステージを用意
- 個別面談でのフォロー
- 競争することを促進
また相対評価は不満を増長させる可能性があるため、全社員に向けて、相対評価を導入する目的や評価基準を明示しましょう。
絶対評価と相対評価に優劣はない
結論として、全体評価と相対評価に優劣はありません。
なぜなら、それぞれにメリット・デメリットがあるからです。
どういった組織を作りたいかを考えたうえで、「どちらの評価方法を選ぶか?」や「どちらの割合を多くするか?」を決めると良いでしょう。
極端な話ですが、年功序列を主軸としたメンバーシップ型雇用を導入する企業には、他者と比較する「相対評価」が合います。
一方完全なる成果主義を導入している企業では、個人の頑張りを評価する「絶対評価」が合います。
メンバーシップ型・成果主義のどちらかに振り切っていないハイブリッド型企業の場合には、絶対評価と相対評価を合わせると良いでしょう。
両評価を併用する場合には、以下のような方法もオススメです。
評価項目によって分ける
数値として表現できる営業成績など、成果に関する項目は、相対評価にすると良いでしょう。
一方、仕事への態度や意欲といったプロセスに関する項目は、絶対評価にします。
評価項目によって「相対評価」と「絶対評価」を使い分けると、双方のメリットを活かしながら、デメリットも抑えられます。
役職によって分ける
すべての従業員に、同じ評価方法を行なう必要はありません。
なぜなら、役職と一般社員には会社として求めるものが違うからです。
成果を問われる管理職に対し、達成度で判断する「絶対評価」を活用し、一般社員には「相対評価」を行なう方法などもオススメです。
絶対評価と相対評価の違いを押さえ、自社に合ったバランス配分を
適切な評価を実施するには、自社の目指す方向を踏まえつつ、「絶対評価」と「相対評価」のバランス配分を考えることが大切です。
自社にあった評価制度を用意したい場合には、人事評価システム「ヒョーカクラウド」がオススメです。自社に合ったカスタマイズも可能であり、システム化によって評価担当者の負担も軽減できます。
また、評価制度の構築からプロに依頼したい場合には、評価構築パッケージもオススメです。
専任の担当者が、自社に合った「絶対評価と相対評価のバランス配分」を考え、適切な評価制度を構築します。
評価構築パッケージでは、人事評価システム「ヒョーカクラウド」の使用をはじめ、導入前後のサポート体制も充実しています。
適切な評価を実施したい場合には、人事評価システム「ヒョーカクラウド」や、トータルサポートが可能な「評価構築パッケージ」をご検討ください。
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