スキルや実績をもとに評価される人事考課は、製造業にとっても不可欠です。
従業員のキャリアや昇給にも関係するため、正しく実施したいと考える担当者も多いでしょう。しかし、適切な人事考課を実施している企業は、少ないことも事実です。
そこで当記事では、製造業における人事考課を見直す際のポイントをはじめ、評価へのコメント例文も紹介します。
適切な人事考課を実施したい場合には、ぜひ参考にしてください。
目次
製造業に適切な人事考課が必要な理由
なぜ、製造業にも適切な人事考課が必要なのでしょうか?
理由は以下の通りです。
従業員の定着率が高まる
製造業に適切な人事考課が必要な1つ目の理由は、従業員の定着率が高まるからです。
製造業は人材の流出が顕著な傾向にあります。そのため、人が定着しないと「熟練した見本」が存在しなくなり、新しい人が育たないという負のループに陥りがちです。
さらに「海外との価格競争」に巻き込まれると、待遇も向上させられず、ますます人が流出してしまいます。
こうした中で、公正な人事考課制度が存在せず「個人の主観で評価が決められている状況」では、いつまでたっても人が定着しません。
そこで人事考課を見直すことで、評価や待遇に納得感が出るため、人材流出につながります。人材が定着することで、熟練した人材も育ち、充実した新人育成が可能になります。
従業員のモチベーションが上がり、生産効率がアップする
製造業に適切な人事考課が必要な2つ目の理由は、従業員のモチベーションが上がり、生産効率がアップするからです。
人事考課を整備すると、主観に頼らない「客観的な評価」が可能になります。
客観的な評価は納得感につながるため、各自のモチベーションアップにつながります。
モチベーションが上がると、自分の仕事にやりがいをもつのはもちろん、責任をもつようになる点が特徴です。
責任がもてると、仕事の質も向上し、生産効率のアップに直結します。
QCDが向上する
製造業に適切な人事考課が必要な3つ目の理由は、QCDが向上するからです。
製造業は顧客に価値を与えるため、コストパフォーマンスも考えつつ、製品のクオリティアップを目指す必要があります。
そのため、Q(品質)C(コスト)D(納期)を守ることで、製品の向上につながります。
QCDの向上には、従業員のパフォーマンスを上げる点が必須です。
適切な人事考課を実現すると、従業員の課題や課題の改善方法などが見つかるため、各自のパフォーマンス向上につながります。
製造業が人事考課を見直す際の「3つのポイント」とは?
製造業で人事考課を見直す際には、3つのポイントを踏まえる必要があります。
詳細は以下の通りです。
明確な評価項目を設定する
製造業で人事考課を見直す1つ目のポイントは、明確な評価項目を設定することです。
人事考課の実施には、評価項目が欠かせません。また明確な評価項目を設定することで、正しく公平な評価が実現できます。さらに、一般的な評価項目だけではなく、自社のビジョンや経営計画に沿う内容を設定することも大切です。
自社に合った明確な評価項目を設定したい場合には、以下から評価項目例をダウンロードできます。
▼製造業_評価項目サンプル
データを共有・一元化できる仕組みを作る
製造業で人事考課を見直す2つ目のポイントは、データを共有・一元化できる仕組みを作ることです。
人事考課が適切でない企業は、各チームで評価データを保有していたり、重複して管理しているケースが多く見受けられます。
各所でデータを保有していると、不透明な内容になりがちであり、評価者が変わった時にすぐに対応できません。
また重複管理していると、どれが最新の内容かが判断できないこともあるでしょう。
すると担当者の負担が増えるだけでなく、従業員からも不満が生じがちです。
データを共有・一元管理できる仕組みを作れば、離れた場所の工場であっても、考課状況を確認できます。また1つの場所で管理するため、取り出しや管理がスムーズです。
評価者への教育を実施する
製造業で人事考課を見直す3つ目のポイントは、評価者への教育を実施することです。
人事考課の仕組みが整っても、評価者の対応が思わしくなければ、効果を発揮できません。
そのため、従業員への評価を実施する「評価者」に対して、以下の内容を知ってもらう必要があります。
・評価では好き嫌いといった主観ではなく、客観的な視点が重要
・伝達時の対応・言動によって、従業員の企業に対する印象が変わる
上記について知ってもらうには、評価者への教育も欠かせません。そのため、評価者が適切に人事考課を実施できるよう、定期的に教育する機会を設けると良いでしょう。
製造業の人事考課でのコメント例文
つづいて、製造業の人事考課でのコメント例文について解説します。
人事考課では、部下が自己評価を行なったうえで、上司がコメントする方法が一般的です。
また製造業は設計・生産・検査といった一連の製造工程が存在し、体系化しているため、部下の段階に応じて評価しやすい点が特徴です。そのため、部下が属するステップを意識したうえで、将来的にどういったスキルや能力を獲得すべきかを盛り込むと良いでしょう。
ケース1
まずは、1つ目のコメント例文について紹介します。
~【部下】自己評価の例文~ 今年度から入社した5名に対し、マニュアルを作成したうえで、新人教育を実施しました。また現場でのOJTもしっかり行ない、マニュアルで得た知識を「実際の作業で活かす方法」も積極的に伝えたつもりです。 その結果、チームの生産性が前年度より15%も向上しました。 ただし問題点の洗い出しや、それを話し合う場面が少なかったのは事実です。来年度は、問題点の洗い出しについて「チームで話し合う時間」も作りたいと思います。 |
~【上司】コメント例文~ マニュアル作成とOJTの両側面で新人育成に成功し、前年度よりも生産性が15%も向上したことは素晴らしいです。通常の業務を行ないつつ、新人教育にまで手をつくしたことは、なかなかマネができるものではありません。 またレベルアップした部下に自身の仕事を回していくと、育成強化とマネジメントにさらなる時間がさけます。来年度は、こうした点を意識できると良いでしょう。 自身で目標として挙げたように、問題点を洗い出しチームで話し合うことは大切なので、ぜひ実行してほしいです。 |
ケース2
つづいて、2つ目のコメント例文について紹介します。
~【部下】自己評価の例文~ 自分や他のベテランメンバーにおいて、「確認したつもりなのにチェック漏れがある」ケースが多く、品質の問題も発生しがちでした。そのため、上長に「チェック用の仕様書」を用意して良いかを確認し、関係者にも配布しました。 その結果、チェック漏れが減り、作業の質も上がったと感じています。 「慣れが怖い」という点と「周囲とのコミュニケーションの大切さ」がわかったため、継続してつづけたいと思います。 |
~【上司】コメント例文~ 当事者意識をもち、自ら「チェック用の仕様書」を用意し、関係者にも配布した点が素晴らしいです。また自己判断をせず、上長に確認した判断も的確だと思います。 製造業はチームワークが大切なため、〇〇さんが言うように周囲とのコミュニケーションは大切です。今後も周囲とのコミュニケーションを意識しつつ、部下のマネジメントもできるよう、引き続き頑張ってください。 |
まとめ
製造業の人事考課を見直す際には、自社に合った明確な評価項目を設定し、評価内容をはじめとしたデータを共有・一元化することが大切です。
データを共有・一元化すると、担当者が変更になった場合にも、質を保ったまま公平な評価ができます。
「評価構築パッケージ」では、人事考課を進めるうえで役立つ機能が満載です。人事考課の運営に不安な人でも、運用フローの構築や専任の担当者によるアドバイスなど、各種サポートが充実しているため安心です。
人事考課に欠かせない1on1や評価シートの作成も、評価構築パッケージであれば、スムーズに実施できます。
人事考課を見直したい場合には、製造業での導入実績も豊富な「評価構築パッケージ」を検討してみてはいかがでしょうか。
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