【サンプルあり】飲食店の人事考課を見直す際のポイント3選

従業員の能力や勤務態度を評価し、往々にして昇給・昇進に反映させる人事考課は、飲食店でも欠かせない仕組みです。

人事考課の内容は、従業員の定着率やモチベーションにも関係するため、気になる担当者も多いでしょう。

しかし、内容が適切でないケースも多く見受けられます。

そこで当記事では、飲食店の人事考課について、見直しに向けたポイントを解説します。取り入れるべき評価項目や例文も取り上げるため、飲食店の人事考課を見直したい場合には、ぜひ参考にしてください。

飲食店の人事考課は一般企業とは何が異なる?

飲食店の人事考課は、一般企業の人事考課とどういった点が異なるのでしょうか?ここでは、飲食店特有の内容について紹介します。

アルバイトやパートも評価対象である

飲食店の人事考課が一般企業と異なる内容について、1点目は「アルバイトやパートも評価対象」であることです。

一般企業の場合には、正社員や契約社員は評価対象であるものの、アルバイトやパートは基本的に評価しません。一方飲食店では、アルバイトやパートも評価対象です。なぜなら、正社員は主に店の経営や管理をし、接客の大半はアルバイトやパートが実施するからです。

お客様目線で見ると、アルバイトやパートが「その店を判断する基準」になることから、しっかりと人事考課で評価し、従業員育成をする必要があります。

また離職を防ぐためにも、しっかりと働くアルバイトやパートに対しては、時給を上げるなど適切な対策が必要です。

定性面を中心に評価する

飲食店の人事考課が一般企業と異なる内容について、2点目は「定性面を中心に評価する」ことです。

飲食店では、数値として表現できる定量面(=売上金額、来店客の人数など)ではなく、数値として表現しにくい定性面(=責任感、積極性など)を中心に評価します。

アルバイトリーダーであれば経営面を管理するケースもあるため、定量面を評価しやすいものの、一般的なアルバイトやパートに対しては難しいでしょう。

そのため「丁寧な対応」や「自主性」といった定性面で評価することになります。

定性面の評価では、評価者の主観が反映しやすいため、客観的な評価の意識が必要です。

飲食店の人事考課を見直す際の「3つのポイント」とは?

飲食店の人事考課を見直す際には、ポイントを押さえることが大切です。

以下に、押さえるべき3つのポイントを紹介します。

評価シートの基準を明確化する

飲食店における人事考課の見直しで押さえるべき1つ目のポイントは、評価シートの基準を明確化することです。

人事考課には、評価シートが欠かせません。なぜなら、評価シートという共通ツールがあることで、迅速かつ適切な人事考課が実施できるからです。また適切な人事考課は、評価シートに明確な基準があるからこそ実施できます。

明確な基準がないと、評価者の主観で判断せざるを得ないため、不公平な結果になりがちです。不公平な結果はモチベーションを下げるため、業務効率の低下や離職につながってしまいます。

評価シートの基準を明確化する際には、のちほど紹介する「飲食店の人事考課で取り入れるべき評価項目とコメント例文」で紹介する評価項目を参考にしてください。

データを適切に管理・見える化する

飲食店における人事考課の見直しで押さえるべき2つ目のポイントは、データを適切に管理・見える化することです。

人事考課を見直す際には、評価データをはじめとしたさまざまなデータを適切に管理する仕組みが必要になります。さまざまなデータを管理し分析などを実施することで、より納得度の高い評価が実現できるからです。

~さまざまなデータの例~
お客様の満足度、食材のコスト、料理を提供するまでのスピード

また適切にデータを管理できないと、評価シートの基準が明確化されていても、評価管理者の好き勝手に実施される可能性も否定できません。

一方データを適切に管理していれば、客観的な評価の実現はもちろん、評価者が変更になっても今まで通りの評価が実現できます。

さらにデータを見える化すると、リアルタイムで状況をチェックできるため、問題が発生してもすぐに解決策を講じられます。

フィードバックの質を高める

飲食店における人事考課の見直しで押さえるべき3つ目のポイントは、フィードバックの質を高めることです。

人事考課は「結果を出したら終わり」ではありません。

結果をどうフィードバックするかで、従業員の満足度が変わると言っても過言ではないでしょう。フィードバックで従業員の満足度が下がれば、仕事へのモチベーションも下がり、お客様から店に対しての印象が悪くなるケースもあります。

フィードバックの質を高めるには、以下を意識すると良いでしょう。

・上司と部下が「1対1になれる状況」で実施する

・最初にフィードバックの目的を伝える

・具体的な表現を意識する

・極力ネガティブな表現をさける

またフィードバックの質を高めるために、フィードバック担当者に対する研修や教育の機会などを設けるのもオススメです。

飲食店の人事考課で取り入れるべき評価項目とコメント例文

飲食店の人事考課をスムーズに実施する際に、適切な評価項目の取り入れが必要です。

ここでは、取り入れるべき評価項目と、評価に対するコメント例文を紹介します。

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接客態度

飲食店の人事考課で取り入れるべき1つ目の評価項目は、接客態度です。

飲食店の印象は、接客態度で決まると言っても過言ではありません。そのため、従業員の接客態度のチェックは重要です。

接客態度の評価項目を設置する際には、以下のような内容を含めましょう。

~項目例~

・笑顔があるか?

・聞き取りやすい声の大きさか?

・迅速に動いているか?

・お客様の話をしっかり聞いているか?

上記を踏まえ、従業員の自己評価例を解説します。

【従業員】自己評価の例文
私は疲れている時でも、笑顔を絶やさないよう努力しています。また、家でも表情筋を鍛え、いつでも笑顔が作れるようトレーニングをしています。
その結果、お客様から「笑顔がすばらしい」と褒められることも多いです。ただし笑顔は意識しているものの、忙しくて余裕がなくなると周囲の状況を見られなくなることがあります。
そのため、忙しくても余裕がなくならないよう、アイドルタイムの準備を効率よく進められるよう努めたいです。

上記に対する上司の「評価コメント例」は以下の通りです。

【上司】評価コメントの例文
どのような状況でも笑顔で対応しており、職場の雰囲気を良くしてくれています。お客様からお褒めの言葉をいただくこともあり、今後も継続してほしいです。
たしかに忙しくて余裕がなくなると、重複した動線で動いているケースも見受けられます。
そのため、動線を被らせない動きについて、アイドルタイムに研究するのも良いでしょう。

柔軟性・迅速性

飲食店の人事考課で取り入れるべき2つ目の評価項目は、柔軟性・迅速性です。

飲食店はお客様という人間を相手にすることから、しばしば予想できない事態が発生します。そのため、さまざまなケースで柔軟に対応でき、素早く物事を解決する姿勢が欠かせません。

柔軟性・迅速性の評価項目を設置する際には、以下のような内容を含めましょう。

~項目例~

・お客様の要望を理解しているか?

・自身で柔軟な判断をし、迅速に対応できているか?

・自身で対応できない場合には、上司に迅速に相談できているか?

上記を踏まえ、従業員の自己評価例を解説します。

【従業員】自己評価の例文
お客様のちょっとした表情や行動の変化を読み取り、積極的に声をかけに行っています。声をかけると喜ばれるケースも多く、「対応が親切だったので、また来たい」と言われたこともあります。
ただし、マニュアルにも載っていないイレギュラー対応が発生した際に、戸惑い固まってしまうことがあります。
お客様を困らせないよう、自身で判断が難しい場合には、迅速に上司に相談することを意識したいです。

上記に対する上司の「評価コメント例」は以下の通りです。

【上司】評価コメントの例文
他の従業員が気付かない場面でも、お客様の変化にいち早く気付けるため、広い視野をもちフロアを見渡せていると思います。
イレギュラー対応で自身の判断が難しい場合には、〇〇さんが言うように、すぐに私やマネージャーなどと連携してください。
また〇〇さんは視野を広くもちあわせているので、経験を積めばイレギュラー対応が発生した際にも、自身で判断できるケースが多くなると思います。引き続き、頑張ってください。

チームワークへの意識

飲食店の人事考課で取り入れるべき3つ目の評価項目は、チームワークへの意識です。

飲食店ではスピーディーかつ効率的な対応が求められるため、チームのメンバー同士が協力しあう姿勢は欠かせません。

チームワークへの意識が高いと、忙しいメンバーをさりげなくフォローしたり、ついでに他の従業員の仕事を片づけてあげるなど、効率性につながる対応ができます。

チームワークへの意識について評価項目を設置する際には、以下のような内容を含めましょう。

~項目例~

・困っている従業員の存在に気付いているか?

・メンバーのサポートを積極的にできているか?

・チームワークを意識し、業務効率化ができているか?

上記を踏まえ、従業員の自己評価例を解説します。

【従業員】自己評価の例文
仕事で手一杯の仲間に声をかけ、仕事をサポートすることで、「ありがとう」と言われることが多くなりました。感謝の言葉が嬉しいのはもちろん、お客様への食事の提供も早くなるため、お客様の笑顔も増えた気がします。

上記に対する上司の「評価コメント」は以下の通りです。

評価コメントの例文
積極的に他メンバーに声をかけていますね。
先輩はもちろん、後輩にも声をかけ、分け隔てなく接しています。
自分が手伝うことも大切ですが、他のメンバーがやる方が効率よく進む仕事もあるので、「誰が手伝うのがベストか?」も判断できるとなお良いでしょう。

飲食店の評価項目について、さらに細かい内容を知りたい場合には、以下サンプルのダウンロードもオススメです。

▼飲食店_評価項目サンプル

まとめ

飲食店の人事考課では、アルバイトやパートも評価することから、多くの従業員データを管理する必要があります。

また数値として表現しにくい「定性情報」を評価するため、評価者の主観を反映せず、客観的に評価する点も重要です。

人事評価構築パッケージでは、正しく評価するために、評価制度の構築から運用までワンストップでのサービスを提供しています。そのため、人事考課に不安がある飲食店様でも、安心して利用できます。

またシステムであるため、一元管理やデータ共有もでき、担当者の負担を大幅に削減することが可能です。

飲食店の人事考課を適切に行ないたい場合には、飲食店での導入実績も豊富な「人事評価構築パッケージ」を検討してみてはいかがでしょうか。

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この資料で分かること

  • 今、人事評価制度を作る必要性
  • 人事評価制度 タイプ別メリット・デメリット
  • 評価項目サンプル