従業員・企業の成長や、目的を叶えるために必要な目標設定。欠かせない存在だと分かっていても、きちんと設定できているか分からない人も多いでしょう。
そこで「will-can-must」を活用すると、目標設定をスムーズに実行できます。
当記事では、will-can-mustを解説するとともに、詳しい設定方法も紹介します。目標設定を適切に進めたい人は、ぜひ最後までチェックしてください。
目次
will-can-mustとは?
will-can-mustはビジネスで使われるフレームワークであり、目標達成に向けて活用できます。従業員の目標設定以外にも、転職活動やキャリア形成でも役立つことが特徴です。
will-can-mustでは、以下の項目に当てはめたうえで、目的の達成に活用します。
・will:実現したいこと
・can:できること
・must:しなければならないこと
3つのうちどれかが欠けていても、成り立たないため、バランスよく3要素を意識することが大切です。
will:実現したいこと
willは自分の「夢」や「理想像」を指します。
ビジネスで言えば「起業をしたい」や「仕事ができる人になりたい」などが該当します。willがあることで、仕事への原動力やモチベーションにつながると言えます。
また「夢」や「理想」を叶えるには、リスクが伴うこともあるでしょう。しかしwillを考える際には、リスクやさまざまな背景は抜きにし、純粋に考えることが大切です。
~willの具体例~
・スタートアップ企業でルールが曖昧なため、率先してルールを整備したい
・受発注や倉庫管理がアナログなため、専用システムを導入しデジタル化したい
・ゆくゆくは起業し、まだ世にないサービスを提供したい
can:できること
canは、自身の「強み」を指します。
また強みは、特定の職種でいかせる内容と、職種を問わない内容の2つに分かれます。
特定の職種でいかせる強み |
プログラミングスキル、営業経験、簿記2級資格など |
職種を問わない強み |
高いコミュニケーション能力、忍耐力、積極性など |
canを考える際には、自分自身を知る必要があり、自己分析も欠かせません。
~canの具体例~
・営業成績最下位から、さまざまな努力をし、トップセールスを勝ち取った
・今まで「自分で決めたこと」を、途中で投げ出したことはない
must:しなければならないこと
mustは「使命」を指します。
前述のwillとcanは自分を起点として考えますが、mustは逆です。周囲を起点とし、自分が必要とされる理由を考えます。
mustを考える必要性は、自分の理想像(=will)や強み(=can)が、周囲からの要望とずれていないかをチェックできるからです。
~mustの具体例~
・離職率が高いため、業務改善や評価制度の見直しによって、離職率を減らす
・1年以内に新規顧客を20件開拓する
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詳細はこちらwill-can-mustを使った目標設定の手順
つづいて、will-can-mustを使った目標設定の手順を解説します。
以下の手順にそって、目標設定をすると良いでしょう。
1、シートを用意する
まずは、目標設定用にシートを用意します。
難しい内容ではなく、簡易なもので問題ありません。シートにはwill・can・mustの項目を設定し、それぞれの場所に詳細を記載できるよう準備します。
複数の従業員をチーム別に管理する際には、同様のシートを従業員の数だけ用意し、チームごとにまとめると良いでしょう。
2、過去の経験を洗い出す
canやmustを考える際に、経験の振り返りは欠かせません。
過去の経験を振り返ることで、自己分析ができることはもちろん、他の人に負けない点や誇れる点(=can)が分かるからです。
また過去の経験を振り返ると、スキルの棚卸しにもつながります。
過去に褒められたことや、サポートしていた内容を見つめ直すと、使命(=must)も分かりやすいでしょう。
ここでは文章にこだわる必要はなく、箇条書きでも問題ありません。思いついたままに書き出すことがポイントです。
3、will-can-mustの各項目に当てはめる
過去の経験を洗い出したら、そこで出てきた内容を、will・can・mustの各項目に当てはめます。
それぞれの項目が、異なった内容でなくても問題ありません。つまり、willとcanの内容が被ってもOKです。内容が被るものは、自分がとくに大事にしている要素の可能性もあるため、見直す際にはその点も意識すると良いでしょう。
またwill-can-mustの各項目に当てはめる際に、最も大事なことは、will・can・mustの内容がリンクすることです。
will-can-mustの実現に向けて、企業ができることとは?
ここでは、will-can-mustの実現に向けて、企業ができることを紹介します。
人事異動制度の柔軟化
人事異動制度を柔軟にすることで、従業員の「will」を叶えるための足がかりになるケースがあります。
一方人事異動制度に柔軟性がない場合には、willを満たすために、他社に転職される可能性もあるでしょう。
そのため、本人が希望する部署や職種に可能な限り就けるよう、柔軟性を持たせることをオススメします。
~柔軟な人事異動制度の例~
・社内公募制度…それぞれの部署が、自分の部署への異動希望者を募る
・社内FA制度…従業員自身で、自社における希望のポジションに応募する
人事評価制度の見直し
人事評価制度は、企業が人材を評価する軸となります。軸がぶれると、以下のように各自の成長を阻害するケースも発生するでしょう。
・能力のある人が適切に評価されない
・そこまで能力のない人が、高く評価されてしまう
そのため、企業が従業員に求める使命(=must)や、求める能力(=can)をきちんと定義したうえで、評価制度が適切かを考えると良いでしょう。
適切でない場合は、人事評価制度を設計し直し、運用ルールなども改める必要があります。
キャリアデザイン研修の提供
キャリアデザイン研修とは、従業員それぞれが「自身の役割・強み」を理解したうえで、今後のキャリアデザインを描くためにサポートをする研修のことです。
研修では「自己診断」や「周囲からの期待」に重点が置かれることも多く、will-can-mustを考えるのにピッタリだと言えます。
will-can-mustが分かり、キャリアデザインが描けることで、自分の進むべき道を再認識や発見できる場となり得ます。
すると、今後のモチベーションにもつながるため、キャリアデザイン研修の実施に損はないと言えるでしょう。
1on1ミーティングの機会
1on1ミーティングは、上司と部下が直接おこなう「1対1」の定期的な面談です。
開催ペースは「週1」~「月1」が一般的です。
また1on1ミーティングは、評価結果を伝えるようなお堅い内容ではないため、お互いが気楽に取り組める点も魅力だと言えます。
面接担当者は、今ある目標に対して適切にアプローチができているかを確認することが大切です。まずは自己評価を聞き、客観的な視点から「原因」や「うまくいくための方法」を伝えます。
さらにミーティングの際に、従業員のwillを見聞きすることも多く、willを叶える方法や、willを実行するためのcanやmustなどもサポートできるでしょう。
1on1ミーティングを実施する際には、人事評価システムを活用すると便利です。
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詳細はこちらまとめ
will-can-mustは目標設定に役立つフレームワークであり、上手に活用することで、スムーズな目標の実現につながります。
またフレームワークに当てはめるだけではなく、企業として実現に向けて行動できる内容として、以下を紹介しました。
人事異動制度の柔軟化/人事評価制度の見直し/キャリアデザイン研修/1on1ミーティング
上記の実施や、will-can-mustの活用には、人事評価システムの活用が便利です。
ヒョーカクラウドでは、人事評価に役立つ機能が満載であり、各種の評価制度にも対応しています。また1on1ミーティングの機能を使用する際に、will-can-mustのシートを活用することが可能です。
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