コミュニケーション能力はどう評価する?ポイントは多面的な360度評価

仕事をするうえで、コミュニケーション能力は欠かせません。

コミュニケーション能力が高い人は、仕事を遂行する能力も高く、組織の活性化につながります。そのため各企業は、従業員のコミュニケーション能力を適切に評価する必要があります。

とは言え、コミュニケーション能力は不明瞭な部分を持つことから、評価方法に悩む企業は多いでしょう。

実はこうした悩みは、360度評価を適切に取り入れることで改善できます。

今回の記事では、360度評価に焦点をあて、コミュニケーション能力を評価する際のポイントを解説します。

コミュニケーション能力とは?必要性も解説

コミュニケーション能力は、人と人とのスムーズな意思疎通を実現するために必要な能力です。仕事においても、人間関係は必ず発生することから、コミュニケーション能力は欠かせません。

他にも、仕事でコミュニケーション能力を必要とする理由は、以下の通りです。

情報共有が欠かせない
仕事をする際には、基本的にチーム単位で仕事をします。そのため、チーム内で情報共有をし、認識のズレをなくすことが必要です。
周囲からの協力が得られる
1人で仕事をすすめると、成果をあげたくても限界があるケースも多いです。周囲からの協力が得られると、さまざまな力が加わるため、1人で遂行するよりもスムーズに成果をあげられます。
人間関係を良好にする
良好な人間関係は、仕事の達成度合いや充実感と比例する傾向にあります。良好な人間関係を保つには、コミュニケーション能力を使い、双方が理解しあう必要があります。

以上のことから、コミュニケーション能力は、仕事をするすべての人が身に付けるべき能力だと言えます。

コミュニケーション能力の評価が難しい理由

仕事をする際にコミュニケーション能力は必要であり、大きなウエイトを占めます。とは言え、コミュニケーション能力は、評価の実施が難しいことも特徴です。

理由は以下の通りです。

理由1:定性的である

定性的とは、数値やデータとして表現できないモノを指します。対義語は「定量的」であり、数値やデータとして表現できます。

たとえば「アポを獲得した件数」や「売上金額」は定量的な内容であるため、数値やデータにしやすいです。

一方で「人間関係を築くのがうまい」や「気配りが上手」といったコミュニケーション能力は定性的なことから、数値やデータにはできません。

そのため、コミュニケーション能力の評価は、難しいと言えます。

理由2:評価者の主観が影響する

前述の通り、コミュニケーション能力は定性的であることから、評価者の感じ方によって評価が変わります。そのため、評価者の主観が影響する点も特徴です。

たとえば誰とでも仲良くなれる人に対し、プラスのイメージを持つ人が評価すると「誰にでも分け隔てなく平等に接する」という結果になります。

一方で評価対象者に対し、マイナスのイメージを持つ人が評価すると「八方美人で信用できない」という別の結果になります。

以上のように、コミュニケーション能力には「評価者の主観が影響する」ことから、評価が難しいと言えます。

コミュニケーション能力を評価する際のポイント

コミュニケーション能力は、定性的かつ評価者の主観が影響するため、評価が難しいと分かりました。

上記の理由を踏まえたうえで、コミュニケーション能力を評価する際のポイントを解説します。

ポイント1:複数人で多面的に評価をする

コミュニケーション能力の評価は、評価者の「好き嫌い」といった主観が影響しやすいため、1人だけの評価だと公平性に欠けます。そのため、複数人からの評価で、総合的に判断することが大切です。

多面的な評価は公平性があり、評価された人の納得感にもつながります。

ポイント2:待遇(給与/昇給)と連動しない

前述の通り、コミュニケーション能力の評価は、複数人で多面的におこなうことで公平性が保たれます。

また評価結果は、待遇(給与/昇給など)と連動しないことが大切です。

評価が待遇と連動すると、以下のようなデメリットが発生するため、公平性を保ちにくくなります。

●良い評価をもらうための行動をする
(例1)注意すべき場面なのに、注意しない
(例2)みんなが言いたいことを言わなくなり、活気がなくなった

●不正が発生する
(例1)みんなで良い評価をもらうために、事前に評価内容を照らし合わせる
(例2)報復評価をおそれ、当たり障りのない意見を書く

そのため、待遇の決定には、別の評価基準を用意すると良いでしょう。

ポイント3:あらかじめ目標を決める

コミュニケーション能力は抽象的な色合いが強いため、「どのように評価するか?」と迷うこともあるでしょう。そのため、コミュニケーション能力に対する目標について、事前に決めることが大切です。

目標を決めると、目標に対して「どうだったか」を判断するため、評価対象者の納得感にもつながります。

以下に、具体的な例を紹介します。

・チームの課題を、毎週月曜日に1つ発表する
・出社時/退社時に必ず挨拶をする
・新入社員への教育担当となり、各社員の課題点・良い点を挙げる

また目標設定の際には、組織の目標ともリンクさせると良いでしょう。

コミュニケーション能力の評価は「360度評価」と相性が良い

評価方法には、さまざまな種類が存在します。

その中でも、コミュニケーション能力の評価は、360度評価との相性が良いことが特徴です。

以下に、コミュニケーション能力と360度評価の相性が良い理由について、解説します。

理由1:複数人で評価をすることが前提

360度評価は多面評価とも呼ばれており、1人の評価対象者に対し、複数人で評価することが前提です。

そのため、多くの意見を参考にし、客観的に評価をおこなう必要がある「コミュニケーション能力」の評価に適しています。

理由2:上司が気づかない部分を可視化できる

360度評価は複数人の意見が集まることから、上司の目が届かない部分も可視化できることが特徴です。

コミュニケーション能力は、特定の人に活用すれば良いわけではなく、仕事で関わるすべての人に活用する必要があります。

そのため、複数の関係者に対する「コミュニケーション能力」を評価することで、適切な評価が実現できます。つまりコミュニケーション能力には、360度評価のような「多面的な評価」が合うと言えます。

また、評価対象者が抱くことの多い「上司が自分の活躍をしっかりと見てくれない」といった不満にも、対応が可能です。

理由3:事前に目標設定の必要がある

コミュニケーション能力は、定性的で曖昧な部分を持つため、事前に「目標設定」をすることが望ましいです。

360度評価は、コミュニケーション能力をはじめ、さまざまな項目について事前に目標設定をします。そのため、事前に「目標設定」をする必要があるコミュニケーション能力と、相性が良いと言えます。

目標設定をする際のポイントは、以下の通りです。

・自分で設定してもらう
・組織の目標とリンクさせる
・具体的な内容にする

本人に目標を立ててもらい、組織の目標を踏まえながら、上司と最終的なすり合わせを実行すると良いでしょう。

また目標設定をする際には、出来る限り具体的な内容にすることもポイントです。

まとめ

仕事に欠かせない「コミュニケーション能力」の評価は、360度評価を取り入れることで、スムーズに実施できると分かりました。

また360度評価の実施には、評価内容の作成/回収/データ管理/分析など、さまざまな作業が必要になります。さらに複数人を対象とするため、担当者の作業が煩雑になりがちです。

「ヒョーカクラウド」や「評価ポイント」を使うと、データを一元化できるため、360度評価の作成・回収・データ管理・分析をスムーズに実行できます。
またクラウドでのデータ連携を利用し、リアルタイムでの評価が可能になることから、より明確な360度評価が実現できます。

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