「介護施設向けの補助金を知りたい」「補助金を賢く活用したい」と考える人も多いでしょう。補助金や助成金を活用する際には、自分たちの事業所に適した内容を選ぶことが大切です。
ここでは、介護施設で使える「処遇改善」「育成」「設備」に関する補助金・助成金について解説します。それぞれの受給条件や、申請方法についても解説するので、補助金・助成金を活用したいと考える場合には、ぜひ参考にしてください。
目次
助成金と補助金とは?違いも解説
助成金も補助金も、組織の成長や活性化に向けてお金が支給されるものの、両者には少々違いがあります。助成金というワードは厚生労働省が主に使用するのに対し、補助金は経済産業省がメインで使用します。そのため、「厚生労働省からもらえるお金=助成金」「経済産業省からもらえるお金=補助金」と呼ぶ事例が多いでしょう。
また、助成金は条件を満たしたすべての組織がもらえるのに対し、補助金は条件に合致した組織から選ばれた者のみがもらえる傾向にあります。
【介護施設】処遇改善に関する補助金・助成金
従業員の処遇を改善し、モチベーションや定着率の向上を目指したい組織も多いでしょう。モチベーションや定着率がアップすれば、チーム力の向上につながります。ここでは、介護施設での処遇改善に関する補助金・助成金について解説します。
~処遇改善に役立つ補助金・助成金~
介護職員処遇改善支援補助金 | 介護職員の賃上げを目指す組織に向けた補助金 |
中途採用等支援助成金 | 中途採用の拡大を考える組織に向けた助成金 |
特定求職者雇用開発助成金 | 雇用が難しい人を雇った場合に支給される助成金 |
両立支援等助成金 | 仕事と家庭の両立に向けた助成金 |
介護職員処遇改善支援補助金
介護職員処遇改善支援補助金とは、各スタッフの収入を2%ほど上げることを目標とする組織に支給される補助金です。補助金を財源とし、スタッフの給料アップに努めます。
~支給条件~
- 処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのどれかを取得済みである
- 実際に賃上げを実行している
中途採用等支援助成金
中途採用等支援助成金とは、中途採用の雇用促進を目指す企業のサポートに向けた助成金です。新卒採用では人材をまかなえない事業所や、すぐに活躍できるベテランを欲する組織が活用したい助成金だといえます。
※以下の3コースにわかれており、それぞれ支給要件が異なるため、詳細は要確認です。
- 中途採用拡大コース
- UIJターンコース
- 生涯現役起業支援コース
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金とは、一般的に見て「採用されにくい人」を雇用する事業所に対し、支給される助成金です。事情がある人を採用するものの、適するポジションに配置すれば、人材不足の状況を打開できる要素になるでしょう。
※多様なコースが設定されており、それぞれ支給要件が異なるため、詳細は要確認です。
~コースの一例~
- 生活保護受給者等雇用開発コース
- 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
両立支援等助成金
両立支援等助成金とは、育児や介護といった家庭のできごとがあっても「仕事と両立できる」よう、職場環境を整備したい事業主に向けた助成金です。育児や介護にとどまらず、出産や不妊治療などによる両立も含まれます。
※令和6年度においては、以下の6コースにわかれており、それぞれ支給要件が異なるため詳細は要確認です。
- 出生時両立支援コース
- 介護離職防止支援コース
- 育児休業等支援コース
- 育休中等業務代替支援コース
- 柔軟な働き方選択制度等支援コース
- 不妊治療両立支援コース
【介護施設】人材育成に関する補助金・助成金
人材不足がつづく介護業界では、個々の能力を底上げし、少ない人数でも最高のパフォーマンスを発揮できることが求められます。能力の最大化には、適切な人材育成が欠かせません。ここでは、介護施設で人材育成を行なう際に役立つ補助金・助成金について解説します。
~人材育成に役立つ補助金・助成金~
キャリアアップ助成金 | 正社員ではない人の雇用安定化に向けた助成金 |
人材開発支援助成金 | 労働者のスキルアップに向けた助成金 |
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、契約社員やパートといった非正規雇用者に対し、「正社員としての採用」や「待遇の改善」を実施すると支給される助成金です。
~支給条件~
- 雇用保険が適用される事業所である
- キャリアアップ管理者を配置している(各事業所に)
- キャリアアップ計画の作成および作成内容が労働局に認められている
人材開発支援助成金
人材開発支援補助金とは、労働者のスキル向上を目指すべく、キャリア形成をサポートするために支給される助成金です。研修や教育に費やす費用などの一部を、助成してもらえます。
~支給条件~
- 雇用保険が適用される事業所である
- 一定の審査を受ける
【介護施設】設備に関する補助金・助成金
事業所の成長を考えるうえで、設備への投資も重要な要素です。適切な設備を設けることで処遇改善や人材育成にもつながるでしょう。ここでは、介護施設で設備をパワーアップする際に役立つ「設備」に関する補助金・助成金について解説します。
~設備に役立つ補助金・助成金~
人材確保等支援助成金 | 職場環境を改善し「人材獲得」を目指す事業者向けの助成金 |
IT導入補助金 | 組織に適したITツールの導入をサポートする補助金 |
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金とは、職場の環境改善を目指し、人材確保や定着率向上を目指す事業所に支給される助成金です。具体的には、健康制度の設置・諸手当を充実・福利厚生の整備などに活用します。
※以下の8コースにわかれており、それぞれ支給要件が異なるため、詳細は要確認です。
- 雇用管理制度助成コース
- 中小企業団体助成コース
- 人事評価改善等助成コース
- 介護福祉機器助成コース
- 建設キャリアアップシステム等普及促進コース(※介護はほぼ関係なし)
- 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(※介護はほぼ関係なし)
- 作業員宿舎等設置助成コース(※介護はほぼ関係なし)
- 外国人労働者就労環境整備助成コース
IT導入補助金
IT導入補助金とは、人事評価システムやグループウェアなど、自分たちの組織に適したITツールの導入で活用できる助成金です。同制度を活用することで、作業の効率化を考えるきっかけになるでしょう。
~支給条件~
- 中小企業である(※資本金・人数に条件あり)
- 過去1年以内に労働関係法令を違反していない
など
補助金・助成金の申請方法について
実際に、補助金・助成金を申請する際には、一定の手順を踏んでいきます。一般的な補助金・助成金の申請手順は、以下の通りです。
1、申請に向けて準備をする
補助金や助成金を申し込む際には、さまざまな書類が必要です。申請書はもちろんのこと、補助金や助成金の種類によって「決算報告書」「会社概要」「登記簿謄本」などが求められます。自分たちが希望する補助金や助成金の申請に必要な書類を調べたうえで、提出の〆切日から逆算し、期日に間に合うよう準備しましょう。
2、実際に申請する
申請に必要な書類を揃えたら、運営元が提示する申請方法を通じ、正式に申し込みを実施します。申請方法は、郵送・Web・窓口に持参など多岐にわたるため、申請方法を確認します。書類に不備がある可能性も考慮し、スケジュールに余裕をもって申請するとよいでしょう。
3、申請結果が出る
補助金や助成金の〆切日以降に、申請の結果が出ます。全員に申請結果を通知する場合もあれば、通過者のみに連絡するケースもあるため、申請結果の通知内容に関する詳細もチェックするとよいでしょう。無事に通過すれば、一定の期間や条件(中間報告をするなど)を経たうえで、補助金または助成金が支給されます。
補助金・助成金の活用後についても考えよう
補助金や助成金は受給したら終わりではなく、どれだけ有効活用できるかが重要です。また補助金や助成金は、支給後の状況を細かに報告するケースが多いでしょう。補助金・助成金の有効活用や状況報告をスムーズに実現するには、組織体制の整備が欠かせません。組織体制の整備には、適切な人事評価制度の用意が役立ちますし、システム化された人事評価システムであれば記事内で紹介した「IT導入補助金」も対象になるでしょう。
人事評価システムを活用するなら、介護業界で実績および一定の評価をもつ「スマイル評価 +クラウドpackage」がおすすめです。人事評価の構築に不安がある場合には、「スマイル評価 +制度構築package」で一から評価制度・システム構築をサポートしてもらうのも良いでしょう。
補助金・助成金の受給について考える場合には、適切な人事評価システムの導入も検討してみては如何でしょうか?
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