ピアボーナス制度の導入で、従業員エンゲージメントが高まる事例も増えています。
とは言え、「ピアボーナス制度」や「従業員エンゲージメント」の関係性について、詳しく説明できない人もいるでしょう。
当記事では、ピアボーナス制度と従業員エンゲージメントの詳細をはじめ、ピアボーナス制度によって従業員エンゲージメントが高まる理由も解説します。
混同されがちな「モチベーション」や「従業員満足度」「忠誠心」にも触れ、その違いも説明するため、ぜひ参考にしてください。
目次
ピアボーナス制度の概要について
ピアボーナス制度とは、従業員の「良い評価」に対して、社内間でボーナスを送り合う制度です。
日本では、Google社における制度の導入をきっかけとし、注目されるようになりました。
ボーナスとは言うものの、従業員間で送るものは「ポイント」です。貯まったポイントは「商品」や「賞与への反映」などに変換され、会社によってさまざまな方法を実施します。
そのため、ピアボーナス制度の導入によって、従来の給与や賞与とは別の「第3の給与」としてのポジションも確立できると言えます。
またピアボーナス制度は、コミュニケーションを活発にする起爆剤にもなり、心理的安全性(=組織内で、自分の考えを安心して発言できる状況)を高める効果も期待できます。
ピアボーナス制度で従業員エンゲージメントが高まる理由とは?
従業員エンゲージメントとは、従業員が会社に対して持つ帰属意識です。帰属意識は、自分は「この組織の一員だ」という自覚であり、企業のために頑張る「源」だと言えます。
従業員エンゲージメントが高いほど、会社と心の距離が近く、優秀な成績を残しやすいことも特徴です。
また従業員エンゲージメントは、モチベーション・従業員満足度・忠誠心と混同されがちなものの、意味合いは異なります。以下に違いを解説するので、チェックしてください。
従業員エンゲージメントとモチベーションなどの違い
従業員エンゲージメントと、モチベーション・従業員満足度・忠誠心には、明確な違いがあります。
【モチベーションとの違い】
モチベーションは、意欲や熱意をあらわし、個人の目的意識だと言えます。
モチベーションと職場環境や人間関係は、直接的に関係しないケースも多々あります。つまり職場環境や人間関係が悪くても、モチベーションを高めるのは可能です。
たとえば「スキルを身につけて起業をしたい」と考えるケースでは、職場環境が悪いとしても、スキルが身につく環境があれば頑張れるでしょう。
一方従業員エンゲージメントは、会社への帰属意識であることから、職場環境や人間関係が直接的に関係します。
【従業員満足度との違い】
従業員満足度は、企業が従業員に与える心地よさだと言えます。
心地よさの概念は個人によって異なり、「適当に仕事をしていても、うるさいことを言われない」など、一見マイナスな要素も対象になる点が特徴です。
ただし、そのうち「うるさく注意される状況」になる可能性もあり、現時点では満足度が高くても、長続きしない可能性も秘めています。
一方従業員エンゲージメントは「帰属意識」であるため、現時点の満足度はそこまで影響がありません。つまり、現在の従業員満足度が低くても、従業員エンゲージメントは高めることが可能だと言えます。
【忠誠心との違い】
忠誠心とは、ある人物や組織などに対し、「貢献やサポートをする」と誓うことを指します。また忠誠心は、上下関係の発生が特徴です。
会社で言えば、従業員が会社に対して主従を誓い、あくまで会社が優先的地位として物事が進みます。
極端な話、会社が従業員を理解・信頼していなくても、忠誠心は発生します。
また忠誠心が強すぎると、会社や上司が間違っていても「NO」を言えません。さらに、間違っている事実に気がつかないケースも多々見受けられます。
一方従業員エンゲージメントには、上下関係が発生しません。なぜなら、帰属意識はあくまで「自分は組織の一員だ」と誇りを持つことであり、忠誠心とはベクトルが異なるからです。
なぜ「ピアボーナス」で従業員エンゲージメントが高まるのか?
つづいて、ピアボーナスで従業員エンゲージメントが高まる理由を解説します。理由は以下の3点です。
【理由1】:評価の権限が与えられるため、帰属意識が高まる
ピアボーナス制度では、従業員が他従業員のプラス面を評価します。つまり、他者を「評価する」という権限の一部が与えられるため、評価を任されていると言えます。
そのため、会社に対する信頼につながり、「自分は会社の重要なメンバーだ」という思いが芽生え、帰属意識の高まりも期待できます。
【理由2】:評価が可視化されるため、やりがいにつながる
ピアボーナス制度は、褒めや賞賛といった「プラスの言葉」で評価することが特徴です。
またピアボーナスで得た「プラスの言葉」は可視化され、他の従業員が目にできるようになります。
そのため、やりがいや承認欲求の高まりにつながります。
【理由3】:他者に関する興味が芽生え、コミュニケーションの活性化につながる
評価をするには、評価対象者に興味を持つことが前提です。また評価された人も、評価してくれた人に対して、興味・関心が出るケースも多いでしょう。
そのため、コミュニケーションの活性化にもつながると言えます。
従業員エンゲージメントを高める必要性とは?
従業員エンゲージメントを高めると、企業にとってメリットがあります。
ここでは、企業が従業員エンゲージメントを高める必要性について解説します。詳細は以下の通りです。
【必要性1】:企業の業績が上がる
従業員エンゲージメントが高まると、企業に対する帰属意識が高まり、1人ひとりが責任を持ち業務に取り組むようになります。
責任を持って業務に取り込むことで、最高のパフォーマンスを発揮できるため、業務効率の向上も期待できます。
従業員エンゲージメントの高まりから、企業の業績が上がる流れは、以下の通りです。
1、従業員エンゲージメントが高まる ↓ 2、顧客へのサービス向上 ↓ 3、顧客満足度が高まる ↓ 4、売上や利益が上がる ↓ 5、社内にお金をかけられる(設備費・教育費・福利厚生など) ↓ 6、従業員満足度の向上 ↓ 7、従業員の生産性が高まる |
以上のように、企業自体の業績向上にもつながることから、従業員エンゲージメントの高まりが必要だと言えます。
【必要性2】:離職率の低下につながる
従業員エンゲージメントが高い従業員は、離職を考えない(もしくは離職をとどまる)傾向にあります。
なぜなら、企業の一員という事実に誇りを持ち、貢献できる満足感/喜びがあるため、容易に離職を考えないからです。
昨今では、働き方の多様化や少子高齢化の影響によって、さまざまな企業で人手不足を実感しています。そのため、企業では「入社した人は逃したくない」と考えるのが本音です。
従業員エンゲージメントの向上は、離職率の低下につながるため、必要性を感じる企業も増えています。
【必要性3】:職場環境が良くなる
従業員エンゲージメントが高い人は、プラスの気持ちが生じやすいため、雰囲気も良くなる傾向にあります。雰囲気の良い人が集まると、必然的に職場環境も改善することが特徴です。
職場環境が良くなると、各自が安心して業務に取り組めることはもちろん、心理的安全性も高まると言えます。
心理的安全性が高まると、活発に意見が交換されることから、組織の発展も促せます。
以上のことから、職場環境を良くするために、従業員エンゲージメントを高めることは必要だと言えます。
まとめ
ピアボーナス制度を導入すると、従業員エンゲージメントが高まります。
従業員エンゲージメントを高めると、企業における業績向上・離職率の低下・職場環境の改善につながるため、企業は積極的に意識する必要があります。
またピアボーナス制度の導入には、準備や運用において、多くの労力や手間がかかるため、システムの導入がオススメです。
評価ポイントでは、ピアボーナス制度の導入から運用面まで、システム1つでカバーでき、サポート体制も充実しています。
ピアボーナス制度を導入し、従業員エンゲージメントを高めたい企業様は、評価ポイントをぜひお試しください。
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