昨今では、福利厚生として「ピアボーナス」を取り入れる企業も増えており、注目を集めています。
欧米ではメジャーなピアボーナス制度も、日本では浸透している段階であることから、詳しい内容を知らない人も多いでしょう。
ピアボーナスを取り入れると、企業をプラス面に導くことが期待できるため、経営者や人事担当者は知っておいて損はありません。
当記事では、ピアボーナスの概要から導入のメリットも解説するため、ピアボーナスについて知りたい人は、ぜひお役立てください。
目次
ピアボーナス制度とは?
ピアボーナス制度とは、「peer(=仲間)」と「bonus(報酬)」をかけ合わせた言葉で、従業員同士が互いの成果やサポートに対し、報酬を送りあえるサービスです。
またピアボーナスは福利厚生の一環であり、社員の福利(=幸福)に対する充実を目的としています。
従来の評価制度では、上司が部下を評価するものの、ピアボーナスは「従業員同士で評価」することがポイントです。
ピアボーナスの評価で得たポイントは、以下のようなモノに還元されます。
・商品との交換(ギフトカード/商品券/など)
・賞与への還元
・月次表彰におけるインセンティブ支給
商品と交換するかや、インセンティブを支給するかなどは、企業によって異なります。
ピアボーナス制度が注目を集める理由
ピアボーナス制度はGoogle社が導入し始めたことをきっかけに、日本でも注目されるようになりました。
また昨今の日本では、以下の要素などによって、変化の激しい時代に突入しています。
・働き方改革
・テレワークの普及
・多様な働き方の浸透
各企業が時代の変化に対応し、生き残るためには、「人材の定着率アップ=離職率の低下」が必須だと言えます。また離職率を減らすためには、従業員のモチベーション(=意欲)やエンゲージメント(=帰属意識)を高めることが必要です。
ピアボーナス制度は、周囲の「良い評価」によって承認欲求を満たし、モチベーションアップにつながります。
また、ピアボーナスは福利厚生であることから、そもそも会社が用意しないと実現できません。
そのため、制度を導入することで「従業員を大切にする会社」だという思いにつながり、エンゲージメントの向上も期待できます。
ピアボーナス制度を導入するメリット・デメリット
ここでは、ピアボーナス制度を導入することで生じる「メリット・デメリット」を紹介します。メリットとデメリットの両面を理解し、導入の基準にすると良いでしょう。
ピアボーナス制度を導入するメリット
ピアボーナス制度を導入するメリットは、以下の通りです。
社内の活性化
人を評価するには、その人に興味を持つ必要があります。
とくに「良い評価」をされた人は、評価してくれた人に対して好意的になり、お互いが仲良くなるきっかけにもなります。
すると、今までは「かかわりが無かった部署の人」や、同じ部署であっても「かかわりが薄い人」にも注目することになり、コミュニケーションのきっかけ作りにもなるでしょう。
ピアボーナス制度を導入することで、お互いを褒めて良い部分を見つめる文化ができるため、組織を明るくし活性化することにもつながります。
社員の「良い面」が可視化できる
ピアボーナス制度を導入すると、報酬を送った理由が明確になるため、社員の良い面を可視化できることが特徴です。
可視化によって、周囲からも「こういう行動をすると評価される」と明らかになるため、従業員への参考にもなります。
また報酬を送られた人も、周囲に自分の「良い行い」を見てもらえるため、やる気も高まるでしょう。
社員の「良い面」を可視化し、積み重ねることで、人間関係・職場環境にとってもプラス面に働きます。
離職を防止できる
従来の評価制度は、上司が部下を評価する構図が一般的でした。
そのため、上司からの評価に納得がいかない人は、モチベーション低下により離職につながりやすいことが特徴です。
一方でピアボーナス制度は、上司にかぎらず部下や同僚からも評価をされ、なおかつ「良い評価」が反映されることから、満足度につながりやすいと言えます。
たとえば上司に不満があっても、ピアボーナス制度を導入していれば「自分のことを良く思ってくれる仲間がいるから」と考え、離職の防止にもつながります。
ピアボーナス制度を導入するデメリット
ピアボーナス制度を導入するデメリットは、以下の通りです。
導入時にコストがかかる
ピアボーナス制度を独自に導入すると、担当者は以下のような作業を行う必要があるため、時間と労力がかかります。
・ルールの作成
・複数の評価結果を確認
・貯まったポイントの還元
そのため、ピアボーナス制度を搭載した「システム」を使うことが一般的であり、オススメな方法だと言えます。
しかし、システムの導入にはコストがかかるため、費用が発生する点はデメリットです。
システムの導入でコストはかかるものの、離職率の低下やモチベーションの高まりによる作業効率の向上なども考慮すれば、費用対効果は高いと言えます。
運用後も管理が必要
ピアボーナス制度は、従業員がお互いを評価するという仕組み上、目に見えて優秀な人に評価が集まり、縁の下の力持ち的な人に評価が集まらないこともあります。
また評価にばかり固執し、業務に支障が出る人も現れる可能性があります。
以上のような背景から、ピアボーナス制度の運用後も適切にまわるよう、ルール作りや見直しなどの管理が必要です。
たとえば、以下のようなルールを設けても良いでしょう。
・ピアボーナスを送った場合、その人に3ヶ月間はボーナスを送れない
・直属の上司には、ピアボーナスを送れない
・ピアボーナスをもらった人には、2ヶ月が経過してからボーナスを送れる
また、ピアボーナス制度が適切に機能しているかを確認するため、適宜データをチェックする必要もあります。
ピアボーナス制度でツールを選ぶポイント
ピアボーナス制度でツールを選ぶ場合に、押さえるべきポイントは以下の通りです。
手軽に利用できる
ピアボーナス制度を導入するのであれば、従業員が業務の合間をぬって、日常的に活用できることが大切です。
ツールが手軽に利用できない場合には、ツールを使う人が減り、ピアボーナス制度自体がうまく機能しません。
そのため、スマホでも利用できることや操作面で分かりやすいなど、手軽に利用できるツールを選ぶと良いでしょう。
SNSツールとの連携がある
昨今では、従業員同士での連絡を、LINEやChatworkといった「SNSツール」を使用する企業は多く見受けられます。
そのため、ピアボーナス制度で使用するツールが「SNSと連携できるツール」だと、スムーズであり使いやすいと言えます。
サポート体制が充実している
日本において、ピアボーナス制度は普及してきているとは言え、まだ浸透中の段階です。
そのため、導入時や運用時に疑問が生じるのは当然でしょう。
サポート体制が充実していると、ツールやピアボーナス自体に対する疑問が発生した際にも、すぐにサポートセンターに確認ができるため、運用もスムーズに行えます。
まとめ
ピアボーナス制度では、従業員同士で相手の「良い面」に対し、ボーナスを送りあうことが可能です。
そのため、社内の活性化や良い面の可視化をはじめ、離職の防止にもつながります。とは言え、導入や運用面で複雑なことが多く、システムの使用は必須だと言えます。
システムを使う場合には、手軽さはもちろん。SNSとの連携やサポート体制の充実度を確認することが大切です。
評価ポイントでは、スマホからポイントを送ることが可能であり、LINE・LINEWORKS・ChatworkといったSNSとの相性が良いことも特徴です。
またサポート体制も万全であり、一からピアボーナス制度を取り入れる企業であっても安心して利用できます。
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