「アサーティブコミュニケーション」で適切なコミュニケーションを取る

仕事をするうえで、円滑なコミュニケーションは重要なポイントです。
しかし、「コミュニケーションが苦手」「上手に思いを伝えることができない」とお悩みの方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、「アサーティブコミュニケーション」をご紹介します。

コミュニケーションは人間関係の基本だけど…

会話の中で、「こんなことを言って大丈夫かな?」とか、「正しく伝わったかな?」とか、不安に思ったり考えたりしたことはありませんか。
黙っていては、なにも伝わらないですよね。
また、言葉が足りないために、相手に正しく理解されなかったり、こじれてしまうことも珍しくありません。

「理解されたい」思いが高じて相手に不満をぶつけてしまったり、理解してもらおうと思うあまり、語彙のセレクトを間違えてしまったり…。
失敗経験をすることで、「自分の気持ちを伝える」のが怖くなってしまうこともありますよね。
けれども、コミュニケーションは、一方的なものではなく相手とのキャッチボールを行う双方向で成り立つもの。
会話の数を増やしたところで、質をあげないと改善は難しいといえます。

そこで取り入れたいのが、アサーティブコミュニケーションです。

アサーティブコミュニケーションとは

アサーティブコミュニケーションは、相手と自分を同じように大切にして、自分の思いを相手に伝えるコミュニケーションです。

アサーティブコミュニケーションを学ぶことで、自分の意見を主張することができるようになるだけではなく、「言えるけど、言わない」ことを選択できます。
その場に即して、言うことを選択することができるようになるのです。

感情のコントロールをして、言葉を選ぶことで、相手を思いやりながら自分の気持ちを表現しましょう。
そうすることで、一方的なコミュニケーションを避け、相手との良好のコミュニケーションを取ることができるようになります。

アサーティブコミュニケーションのポイント

「誠実」「率直」「対等」「自己責任」がアサーティブコミュニケーションのポイントです。
自分を受け入れてもらうためには、自分に自信を持つ必要がありますし、その上で相手を受け入れることも重要です。
他人を尊重するためにも、まずは自分に自信を持ちましょう。

アサーティブではないコミュニケーションとは?

以下にあげるのは、アサーティブではないコミュニケーションの例です。
・感情的に相手を攻撃する
・相手から悪く思われたくないからと受け身になる
・相手に対する不満を直接ではなく陰口などで伝える作為的な態度を取る

相手と対等な関係を構築できないと、アサーティブコミュニケーションを取ることができません。
自分のコミュニケーションの傾向を知り、問題点を改善をしましょう。

アサーティブコミュニケーションのメリット

アサーティブコミュニケーションを取り入れることで、以下のようなメリットがあります。

コミュニケーションスキルの向上

アサーティブコミュニケーションを習得することで、伝えたいことを適切な言葉で伝えることができるようになります。
コミュニケーションスキルが向上することで、苦手意識がなくなり、コミュニケーションを取ることに積極的になれます。

業務効率の向上

自分の仕事だけではなく、チームメンバーの業務に対しても、内容やスケジュールを明確にし、納得したうえで仕事に取り組むことができます。
また、認識の齟齬がなくなることで、コミュニケーション工数を減らすことができます。
そのため無駄がなくなり業務効率が向上します。

ストレスの軽減

アサーティブコミュニケーションで、お互いが感じるコミュニケーション上のストレスを解消する効果が期待できます。
また、他人に気を遣い過ぎて自分の気持ちを素直に表現することができないといった、遠慮しすぎることがなくなるので、ストレスを必要以上に抱えることもなくなります。

アサーティブコミュニケーションのポイント「DESC法」

アサーティブコミュニケーションのポイントDESC法は、話を4つの段階に分けて伝える方法です。

D(Describe):描写する

自分の状況を整理し理論的に説明ができるように、まずは事実を整理しましょう。
例えば、急な仕事をお願いされた時、既に優先度が高いとされている仕事に取り組んでいるケースもありますよね。
事実を整理して自分の状況を的確に伝えることで、相手に正確に理解してもらうことができます。

E(Express):表現する

自分の気持ちを表現します。
相手に対して敬意を示すことで、相手の気持ちがポジティブになります。

・自分の気持ちを受け止める

感情が先走って話をしてしまうと、意思を正確に伝えるのが難しくなってしまいます。
喜怒哀楽といった感情をしっかりと受け止め、自己分析をしてから、どうやって伝えていくのか考えましょう。

・話し方の「癖」に注意する
言葉の癖は、印象を大きく左右してしまいます。
ソフトな印象を与えるためには、相手の目を見ながら身振り手振りを交えて、ゆっくりと話すように心がけましょう。
どんなに良いことを言っていたとしても、早口だったり声が小さかったりすると、きちんと伝わらないことは数多くあります。
レコーダーなどで録音をしたり、スマートフォンで録画したりして、自分の話し方を確認してみると、意外な癖に気づくことができるケースも多くあります。

また、話をする際には要点から話すように心がけ、前置きが長くならないように注意するのも重要なポイントです。

S(Specify):提案する

全ての要求を相手が受け入れてくれるわけではありません。
相手の反応をみて、妥協点を探りましょう。
建設的に話し合いをすることで、落とし所を探すことができます。
その際、コミュニケーションが一方的にならないように、相手の事情も踏まえ歩み寄る姿勢を持つことも重要です。

・「私」を主語にする
発言の責任の所在を明らかにする話し方を、「アイメッセージ(I Message)」と呼びます。
主軸を「私」に置き、「私はこう思う」「私はこう感じる」と伝えてみましょう。

C(Choose):選択する

複数の選択肢を持ちましょう。
自分の提案が受け入れられた時だけではなく、もし受け入れられなかった時のことも考えておくことが重要です。
代替案を用意したり落とし所を探ることで、良好なコミュニケーションを築くことができます。

コミュニケーションの質を高めるために

コミュニケーションの質を高めるためには、単に会話内容を見直すだけではなく、声の大きさや高さそしてスピードに姿勢、表情に仕草など、多彩なポイントに注意を払う必要があります。

「どうしたら相手に正しく伝えることができるのか」相手の立場に立って考えながら会話をしてみましょう。
相手のしぐさや表情を中止するだけではなく、「質問」を駆使して相手のニーズを探ることも重要なポイントひとつです。
相手の考えを理解し、適した応対をすることで、円滑にコミュニケーションを取ることができるようになります。

おわりに

アサーティブコミュニケーションを習得するためには、会話の内容をセルフチェックし、自分の会話の傾向と問題をつかむのが重要なポイントです。
意識をして会話を改善することで、質の高いコミュニケーションを取れるようになります。
コミュニケーションに苦手意識をお持ちの方や、自分の考えを上手く伝えられないと感じている方は、是非実践してみてくださいね。

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