人事評価制度の失敗を防ぎたい場合には、5つの条件を意識することが大切です。今回は5つの条件の2つ目である「シンプルでわかりやすい」に焦点をあてて、人事評価制度の失敗を防ぐ方法について紹介します。
複雑な人事評価制度は、要点がわかりにくく、評価も煩雑になるため形骸化する傾向にあります。そのため、人事評価制度で失敗したくなければ、シンプルでわかりやすく作ることが鉄則です。当記事では、人事評価制度をシンプルにする重要性や作成手順などについて解説します。
※シリーズ1つ目の「経営者の気持ちを伝える」については、以下の記事をご参照ください。
目次
人事評価制度の改善・構築に大切な5つの内容
人事評価制度の改善・構築を成功させるには、以下の「5つの条件」を意識する必要があります。
~人事評価制度の改善構築に大切な5つの内容~
- ①経営者の気持ちを伝える
- ②シンプルでわかりやすい
- ③評価は面談が大事
- ④人事評価制度をPDCAで改善
- ⑤人事評価制度を報酬制度に反映する
今回の記事では、「②シンプルでわかりやすい」について、詳しく解説します。
人事評価制度の改善・構築に「シンプルでわかりやすい」が重要な理由
人事評価制度の改善・構築に、シンプルかつわかりやすい点は、必須要件だといえます。「シンプルでわかりやすい」が重要な理由は、以下の通りです。
【評価者】適切に評価できる
評価を実施する評価者には、被評価者に対し、「正しい評価を導く」「評価結果を説明する」という義務があります。義務を果たすには、適切に評価を実施する必要があるでしょう。
評価者が適切に評価できない要因の1つに、人事評価制度の複雑化が挙げられます。人事評価制度がシンプルになれば、内容がわかりやすくなり、評価者が適切に評価しやすくなるでしょう。
【被評価者】評価内容を意識できるため、成果につながりやすい
人事評価制度がシンプルだと、前述の通り、評価者が正しい評価を導くのはもとより、評価結果も適切に伝えられます。すると、評価された従業員も評価結果を正しく認識できることから、「次回の評価結果をよくするために、どのように行動しよう?」と考えやすくなります。自発的な行動や、改善点の発見などによって、成果につながりやすくなるでしょう。
労力を最小限におさえ形骸化を防ぐ
評価項目が数十個も存在する人事評価制度は、評価を実施するだけでも多くの時間がかかってしまいます。シンプルでわかりやすい人事評価制度は、評価項目が10個程度と「厳選されている」傾向にあります。評価担当者の労力も最小限におさえやすく、人事評価制度の形骸化も防ぎやすくなるでしょう。
人事評価制度をシンプルにする際の注意点
人事評価制度をシンプルにするとはいえ、単に評価項目をしぼるだけでは、意味をなさないといえます。人事評価制度をシンプルにするには、以下の点に注意することが大切です。
要点を盛り込む
人事評価制度の評価項目は、10個程度にすることが理想です。評価項目を厳選する際には、人事評価制度で達成したい企業目標を踏まえつつ、目標達成につながる内容を選ぶ必要があります。要点を凝縮して盛り込んだシンプルな人事評価制度は、わかりやすいうえに効果的だといえるでしょう。
定量的な表現を意識する
定量的な表現とは、「昨年より売上をアップする」といった曖昧な言い方ではなく、「昨年の売上より10%増」などと、誰もが共通認識を持てるような伝え方です。わかりやすさを意識するには、誰もが同じように解釈できる定量さが不可欠です。
「これ」「それ」「あれ」などの表現を使わず、固有名詞を使うことも、わかりやすくするポイントだといえます。
10項目ほどがベスト
評価項目を設置する際には、10項目ほどにしぼる流れがおすすめです。10項目ほどに厳選すれば、評価者が正しい評価結果を導くことにつながり、評価結果も適切に伝えやすくなります。
とはいえ、正しい評価結果を導き、被評価者に評価結果も適切に伝えられるのであれば、評価項目を10個以上設けても問題はありません。
人事評価制度をシンプルにする手順
人事評価制度をシンプルにすると、適切な評価が実現し、成果につながりやすい制度を用意できます。人事評価制度をシンプルにする手順は、以下の通りです。
人事評価制度で実現したい内容を精査する
複雑化している人事評価制度は、企業が「何を実現したいか」が不明確なことも多いでしょう。そのため、まずは人事評価制度を通して、企業として「何を実現したいか」を精査します。
~実現したい内容(例)~
- 従業員のモチベーションアップによる離職率改善
- 適材適所への配置による生産効率化
実現したい内容を決める際には、経営者だけにとどまらず、経営にかかわるマネージャーなども交えるとよいでしょう。
評価基準を設定する
人事評価制度で実現したい内容にもとづき、評価基準を設定します。評価基準とは、企業の「実現したい目標」を達成すべく、評価のために設ける基準のことです。
評価基準を設定する際には、以下の3要素を含めるとよいでしょう。
- 成果評価…どれだけ結果を出せたかを示す
- 能力評価…業務で必要な能力・資格の保有状況
- 情意評価…仕事に対する取り組みや姿勢を示す
上記の3要素は、企業の状況や目的によって、バランス配分が変化します。
評価項目として落とし込む
評価基準にもとづき、実際の評価で使用する「評価項目」として落とし込みます。前述の通り、評価項目は10個程度にすることが望ましいです。
評価項目は、全社員に共通のものではなく、ポジションごとに設定すると、より正確な評価につながります。
評価基準や評価項目について、詳しい内容を知りたい場合には、以下の記事もご参照ください。
人事評価制度をシンプル化するには知識も必要
人事評価制度をシンプル化するには、複数の項目案から、本当に必要な項目を厳選するため、ある程度の知識も必要です。人事評価制度に詳しい人がいないなど、企業内にリソースが不足しているケースも往々にして見受けられます。リソース不足の企業では、自社内で完結せず、外部のプロに依頼する事例も多いでしょう。
株式会社シーグリーンでは、評価項目サンプル10個から3個を選ぶだけで、簡単に評価項目が作成できる仕組みを用意しています。人事評価制度を適切に実行すべく、シンプルかつわかりやすい人事評価システムも活用できます。
シンプルでわかりやすい人事評価制度を用意するなら
適切な人事評価制を改善構築すべく、シンプルでわかりやすい内容にするには、要点を盛り込み定量さも意識したうえで、10個ほどの評価項目に厳選することが重要です。
とはいえ、人事評価制度のシンプル化には、一定の知識も必要だといえます。株式会社シーグリーンの人事評価構築パッケージは、人事評価制度の構築からサポートし、人事評価システムもついてくる便利なパッケージです。人事評価制度のシンプル化に必要なポイントをおさえたうえで、貴社に適した内容をご提案します。人事評価制度のシンプル化を目指す場合には、人事評価構築パッケージをご検討ください。
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