昨今では終身雇用が衰退しており、新卒から定年まで同じ会社で働く人が減少傾向にあります。少子高齢化や転職の日常化といった影響もあり、採用難や定着率低下に悩む企業様も多いでしょう。そこで、以前より提唱されている「働き方改革」をあらためて考え、真剣に取り組む企業が増えています。
働き方改革では、個々に応じた働き方を実現させるべく、生産性向上がセットだと言っても過言ではありません。しかし、生産性向上につながる具体的な行動がわからない人は、多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、働き方改革によって生産性向上を目指す際に、企業が実施すべき内容やポイントを紹介します。
目次
働き方改革とは？多様な時代に即した改革
働き方改革とは、厚生労働省によると「働く人の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を実現させ、一人ひとりがよりよい将来の展望をもてるようにすること」とされています。
参照元：厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
つまり働き方改革において、企業は「個々のニーズに応じた働きやすい環境を実現し、前向きに働けるよう意識する」必要があるでしょう。多様なバックグラウンドの人に対応するには、各自が効率よく働けたうえで、企業も業績を上げられるような流れが必須です。多様な時代に即した企業となるには、従来以上に「生産性向上」が求められます。
企業が働き方改革を意識すべき理由・必要性とは？
企業が働き方改革を意識すべき理由は、どういったものなのでしょうか？主な理由や必要性は、以下の通りです。
少子高齢化による労働人口減
日本において少子高齢化は今後もつづく見込みであり、いわゆる働き盛りな年齢に該当する「生産労働人口」自体も減ると予想されます。将来的に、今よりも人材の母体が減少する見込みであることから、人材の争奪戦も激化するでしょう。
争奪戦がつづくと「求職者優位な状況」になり、求職者のニーズにそった働き方ができない企業は、転職先の候補から外れやすくなります。そのため、企業が率先して働き方改革を実施し、個々の状況に即した対応ができるよう環境整備をする必要があります。
人材の流動性が高まっている
終身雇用の衰退や多様な働き方が一般化した背景から、1つの会社にとどまる人が減った点は事実です。条件のよい場所があれば、簡単に転職してしまうため、人材の流動性が高まっています。
また求職者優位な時代背景から、苦労して採用にこぎつけても、従業員が労働環境に納得できなければ辞められてしまいます。人材の流動性が高まる昨今において、従業員が働きやすい環境を用意することは、離職防止への必須要件です。
現状の日本における生産性の低さ
そもそも日本の企業全体が、世界各国の企業と比較すると、生産性が低いと言われています。厚生労働省が提供する以下のデータを見ても、1980年から2021年まで、「米国との労働生産性水準」の差は埋まっていません。
データの引用元：厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12506000/001080015.pdf
生産性が低い土俵のなかで、今までと同様な職場環境を用意していると、グローバルな時代下において市場競争から取り残される可能性があるでしょう。
そのため、率先して働き方改革に取り組まないと、企業の持続的発展や業績アップが難しくなる恐れもあります。
働き方改革に生産性向上は必須
生産性とは、投資した設備費や採用コストといったリソースに対し、どれだけ効果があったかを示すものです。生産性を高めるには、投資したリソースの効果を最大限に発揮できる施策が必要です。とくに人的リソースに関しては、対象者の能力・スキルを最大限に活かすべく、各自に合わせられるような柔軟な労働環境が求められます。つまり、働き方改革を考えるうえで、生産性向上は外せない要素です。
生産性向上は業務効率化と異なる
生産性向上と混同されがちな言葉として、業務効率化が挙げられます。生産性向上は、採用や教育などの投資に対し、どれだけ業績を上げられたかを測る指標です。一方業務効率化では、コストや時間などの投資を減らしたうえで、どれだけ効果を上げられるかを考えます。
働き方改革とは、個々の状況に応じた働き方を提供し、前向きに仕事ができる環境の用意を指します。そのため、投資するリソースを減らす考えである業務効率化は、働き方とは異なるベクトルの話だと言えます。
生産性向上を目指し、企業ができる4つの内容とは？
働き方改革には、生産性向上が大切だとわかりました。生産性向上を目指し、企業ができる4つの内容は以下の通りです。
従業員の頑張りを正しく評価する
従業員のモチベーションが高ければ、仕事が丁寧になり、意欲的な行動が期待できます。
モチベーションは、評価制度で高めることが可能です。自分の頑張りが正しく評価されると企業への信頼感が増すため、プラスな感情が芽生えるからです。内面から意欲が湧き出て、作業効率も高まるでしょう。意欲的な従業員が集まる環境は活気があり、人間関係も良好に保ちやすく、適切な労働環境につながります。
また適切な評価の実施は、個々のスキル・能力を表面化させ、個人や企業全体が抱える問題の発見にも有効です。つまり適切な評価を実施すれば、前述の「業務内容や労働環境の見直し」につながります。
業務全体を見直す
全体的な業務の流れのなかに、無駄や非効率的な事象が発生していると、生産性向上を阻害する要素になり得ます。まずは原因となる要素がないかを確認し、問題があった場合には、スムーズに業務がすすむよう然るべき対策を講じることが大切です。
属人的でブラックボックス化している内容や、配置転換によって解決できる事象など、今まで気づかなかったような問題も見えてくるでしょう。
ITツールを活用する
業務全体を見直すときに、アナログ対応による非効率的な動きや、周囲から見えない属人化した箇所を発見するケースが見受けられます。こうした事態を日頃から防ぐには、業務の可視化が必要です。ITツールを活用すると、業務の可視化によって日々の業務状況を把握できるため、生産性の見直しにつながります。とくにクラウドサービスタイプの製品を活用すれば、リモートワークや外出先にも対応でき、多様な働き方の促進も後押しできるでしょう。
労働環境を見直す
長時間残業の常態化やコミュニケーション不足な環境など、一般的に「よくないと言われる労働環境」を見直すと、生産効率アップが期待できます。とくに長時間残業は心身の疲労につながることから、時間や人件費がかさむわりに、効率的な仕事ができていないケースも多いでしょう。またコミュニケーション不足な環境は、連絡事項の共有モレやチームの連帯感欠如など、仕事をするうえで必要な要素が不足する恐れもあります。
働き方改革に対応し生産性向上を目指すなら
働き方改革の意識によって生産性向上を目指すには、業務や労働環境の見直し・ITツールの活用などが重要です。人事評価システムを活用すると、業務や労働環境の見直しをはじめ、ITツールの活用による見える化も実現します。
人事評価システム「ヒョーカクラウド」では、正しい評価によって従業員のモチベーションを高めたうえで、生産性向上も叶えられます。導入・運用も簡単なITツールなので、システムに詳しくない人も簡単に使用できることが特徴です。
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