今やマネジメントに欠かせないアプローチともいえる、1on1ミーティング。元々は、アメリカ・シリコンバレーで実践されていたものです。
1on1ミーティングの内容を紹介する書籍が発売されるや否や、わずか数年で日本でもすっかり定着してきました。ヤフーを筆頭に、パナソニックや楽天、さらには成長著しいスタートアップでも導入する企業が増え続けています。この事実から、1on1ミーティングには大きな実践効果がある、と読み取ることができるでしょう。
しかし、一方で「新しい取り組みを行うには抵抗がある」「部署全員の評価面談だけでも準備が大変な中、さらに面談を追加する余裕はない」といった現場の悩みが聞こえてくるのもまた事実。そこで今回は、1on1ミーティングはどのようなタイミングで行っていくべきか、最適な実施頻度について紹介します。
目次
1on1ミーティングの頻度は週に1回、30分程度がおすすめ
これはヒョーカラボ編集部の意見となりますが、1on1ミーティングの頻度は週に1回、30分程度がおすすめです。
実際に、ヤフーでは1on1ミーティングを週に1回、1人30分程度実施しています。これだけ聞くと、通常業務ですら時間に追われているのに、1on1ミーティングでさらに時間を取られてしまうなんて!という印象をお持ちになるかもしれません。
しかしヤフーは、約7,000人の社員に対し、この形での1on1ミーティングを現在も実施しているのです。ヤフーのように定期的に、ただし1回あたりの時間が長くならないように実施することは、1on1ミーティングの重要なポイントといえます。なぜなら、対面で話す回数が多くなれば、お互いの心理的な距離が縮まり、コミュニケーションがスムーズになっていくからです。
【参考】ヤフーはなぜ6000人の社員を巻き込む「1on1ミーティング」を続けるのか?|人事評価を考える|ダイヤモンド・オンライン
1on1ミーティングの導入について相談する
詳細はこちらなぜ1on1ミーティングは頻繁に開催すべきなのか
すでに年に1~2度、管理職から部下に対して評価面談を実施されている方も多いと思います。日ごろの業務に対する部下の姿勢や取り組みへの結果を評価し、時にはフィードバックしながら指導することもあるでしょう。
「もうすでに部下へのフィードバックは評価面談で行っているので、週に1回ほどの高頻度で開催する必要はないのでは?」そう考える方もいらっしゃるはずです。
それでは、なぜ1on1ミーティングは頻繁に開催すべきなのでしょうか。
それには次の3つの理由があります。
・フランクに話す癖をつけるため
・炎上を未然に防ぐため
・部下の悩みをリアルタイムで解消するため
フランクに話す癖をつけるため
年に数回の評価面談は、どうしても部下の方は萎縮してしまいがちです。面談中の発言が自身の評価に影響することもありますが、そもそも上司とのコミュニケーションが頻繁でなければ、そのコミュニケーション自体が緊張するものになってしまうからです。
より高頻度でミーティングを開催することで、部下は上司とのフランクなコミュニケーションに慣れ、率直な意見を発言しやすくなります。
炎上を未然に防ぐため
一般的に上司の方は日ごろ忙しく働かれていることでしょう。上司の方が慌ただしく働く姿を見ている部下は、「こんなことで時間を取らせてしまうのは気が引ける」と尻込みしてしまいがちです。
ですが特にまだ経験の浅い部下の方の場合、本来相談すべき「トラブルの火種」を察知できず、放置してしまうことも。やっと相談できた頃には、些細なことが大きな問題に発展してしまっていた、ということもあり得るでしょう。
このような炎上を避けるためにも、1on1ミーティングは有効です。定期的に上司と1対1ミーティングで話す場があれば、業務で気になる些細なこともすぐに報告・相談することができます。
どんな問題も、小さいうちに対応できればお互いの負担も少ないのです。そのためには、お互いの信頼関係が土台にあること、そしてすぐに上司に相談できる環境づくりが大切です。信頼の土台を作るためにも、頻繁な1on1ミーティングの実施は効果的といえます。
部下の悩みや課題をリアルタイムで解決するため
仕事の悩みや解決したいことは、日々リアルタイムに変わっていくものです。年に数回の評価面談まで溜めておくことはできません。
一方頻繁に1on1ミーティングを開催すれば、解決したい悩みや課題を、最適なタイミングで取り扱うことができます。
1on1ミーティングの時間はどのように設定すべきか
ここまでは、1on1ミーティングの頻度について解説して参りました。
ところで1on1ミーティングの頻度と密接に関係するのが、1回あたりの時間です。ここからは、1回あたりの時間設定をどうすべきかについて解説します。
会話の時間が長すぎてもいけない
「週に1度、30分ではなく、たとえば2週に1度1時間でも同じことではないか?」
「むしろ調整の手間が減るため、隔週に1度の方が望ましいのでは?」
このように思う方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに1on1ミーティングの時間を1人60分など長く設定することもできます。しかし、長時間の対話をだらだら繰り返すより、短時間でも頻回に対話を積み重ねたほうが相手への親近感は生まれやすいといわれています。
もちろん、1on1ミーティング導入直後は試験的に60分などで行い、最適な設定時間を探っていく方法はあるでしょう。とはいえ、時間が長すぎると雑談ばかりになってしまったり、本来話すべきトピックに集中できず密度の低い1on1ミーティングになってしまったりする可能性もあります。
対話が短ければよいのか
短時間の対話を頻繁に行うほうがよいとお伝えしましたが、短すぎるのもおすすめできません。中には部署の人数が多く、どうしても10分や15分しか1on1ミーティングを組めない場合もあるでしょう。ある程度お互いの信頼関係が築けていれば、短い時間でもしっかりコミュニケーションできるものです。
しかし、初めから短すぎる時間設定では、部下は制限内に終わらせようと気を遣い、本音をいいにくくなってしまう恐れがあります。部下のための大事な時間が、ただの休憩時間になってしまわないよう、気をつけましょう。
1on1ミーティングの導入について相談する
詳細はこちら頻度は職場によってもさまざま
この記事では、1on1ミーティングのおすすめ頻度や時間について解説しました。
実際のところ、業務内容やその部署が元々持っていた雰囲気によっても、1on1ミーティングの実施頻度は変わってくるでしょう。
毎週実行することは理想ですが、ふだんから上司と部下が気兼ねなく話せる環境であれば、月に1回の実施でよいかもしれません。まずはしっかり準備をしてからの導入、そして3ヶ月、半年、と定期的に実施頻度やその効果を確認しながら、自分たちに合ったペースを作っていきましょう。
縁あって繋がったメンバーですから、お互い切磋琢磨しながら楽しく業務することができればまさに理想です。それをただの理想とあきらめず、目的を忘れずに1on1ミーティングを実施していきましょう。
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