「1on1ミーティングを実施しているけれど、自分のやり方が正しいのかわからない」
そのような悩みをお持ちの上司の方にとっておすすめの本が、この「1on1マネジメント」です。
今回の記事では、この「1on1マネジメント」を通じて学べる内容や、明日から使えるノウハウ、おすすめのポイントについて紹介します。実際に本を読んだ方からの口コミもまとめて解説しますので、購入するかどうかの参考にもなるはずですよ。
目次
「1on1マネジメント」の特徴
【出典】1on1マネジメント | 松丘 啓司 |本 | 通販 | Amazon
この本「1on1マネジメント」は、1on1ミーティングを使ったマネジメントを行う上司の方を主な対象とした本です。
この本では、学術的な解説や理論、企業における事例紹介などはほとんど語られません。その代わり、実践する上で気をつけるべき35の手法と着眼点について重点的に解説しています。
そのため、1on1ミーティングについて学問的に学びたい人よりも、明日から使えるノウハウや、自分の1on1ミーティングのやり方を見直す上での切り口を知りたい人にとって有益な本といえるでしょう。
平易な文章で書かれていますので読みやすい本です。ざっとななめ読みをしながら、自分にとって必要なヒントを探すような使い方が考えられます。
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「ピープルマネジメント」という考え方が、この本の大きなポイントです。
「ピープルマネジメント」という発想
「ピープルマネジメント」を理解する上では、その対義語である「タレントマネジメント」について理解するとわかりやすいでしょう。
「タレント」とは、企業において優秀な業績をあげるハイパフォーマーのことです。そして「タレントマネジメント」とは、才能にあふれるハイパフォーマー候補を採用し、将来の幹部候補として育成していくことを意味します。
この本「1on1マネジメント」によると、「タレント」という言葉は2000年前後にIT関連の企業の株が高騰したドットコムバブルの頃に用いられるようになったそうです。そして、優秀な人材の獲得と育成を行う「タレントマネジメント」が、それ以降のアメリカにおける人材マネジメントの主流となりました。
しかし昨今のビジネス環境は、ひとりのタレントの存在だけでは立ち行かなくなっています。
現代はグローバル化やデジタル社会の到来により、市場の変動が激しくなっています。変化の激しい市場においては、タレントの指示を待っていたのでは対処できません。現場の社員一人ひとりが自分で考え、臨機応変に対応することが必要なのです。
また、産業の高度化にともない、より高度な技術を必要とするサービスや、これまでになかった新しいアイデアに基づくビジネスの創出が求められています。そのためには、社員一人ひとりの多様性や専門性を活かし、コラボレーションを次々と生んでいくような組織のあり方が必要です。
以上を踏まえ、誰か「タレント」がひとりいればいいのではなく、「企業にいるすべての人々=ピープル」の持つ才能や能力を最大限に発揮するマネジメント手法が、起業においては求められています。このピープルをマネジメントする、という発想が、この本「1on1マネジメント」の根幹にあります。
そして、ピープルマネジメントを行う上では、風通しのよいコミュニケーションが必要不可欠です。そのために利用できる手法が「1on1ミーティング」です。
この本では、「1on1ミーティングを通じたピープルマネジメントの実現」に主眼を置き、マネージャーが1on1ミーティングを通じたマネジメントを行う上でのポイントについて解説しています。
上司が自身のあり方を見直す必要性
この本「1on1マネジメント」では、1on1ミーティングを行う上で求められる上司のあり方について解説しています。
1on1ミーティングを学ぼうとするマネージャーの中には、コーチングやティーチングといったスキルに関する内容を重点的に学びたい、と思う方もいらっしゃることでしょう。ですが、ピープルマネジメントを学ぶ上でスキルよりも大事なことがあるのです。
それが、「自分を振り返る」こと。この本「1on1マネジメント」では、自信を振り返る必要性について、次のように解説しています。
ピープルマネジメントの最良の教科書は自分自身です。自分のこれまでの経験の中に、実はほとんどの答えが隠されていると言っても過言ではありません。そのため、ピープルマネジメントスキルを高めるための第一歩は、まず自分を振り返ることです。
そして、「自分が最も仕事のやりがいを感じていた時期にしてくれた上司の働きかけは何だったか」「自分はどういうリーダーにはついていきたくないか」といった質問を自己に投げかけます。そのプロセスを通じ、上司としてのあり方を考え直します。
「ピープルマネジメント」のチェックリスト
この本「1on1マネジメント」の大きな特徴のひとつは、ピープルマネジメントを実践する上で、気をつけるべきチェックリストを公開していることです。
たとえば「マネージャーの役割を認識する」というチェックリストは、次のようになっています。
□マネージャーの役割は管理者ではなくメンバーの支援者であることを常に意識しましょう。
□成長し成果をあげる主役はメンバーであり、マネージャーは主役になり得ないことを認識しましょう。
□組織の上位者であるがゆえに、マネージャーにできる支援は何かを考えましょう。
□自分自身の強みを活かしたマネジメントスタイルやメンバーへの支援の方法を考えましょう。【出典】1on1マネジメント | 松丘 啓司(p170より一部抜粋)
ときおりこのようなチェックリストを見返し、自身のマネジメントスタイルを見直すとよいでしょう。
「1on1マネジメント」の口コミは
この本を購入した人は、どのような感想を抱くのでしょうか。口コミを読書メーターから紹介します。
「目新しいことはあまり書いていないが、1on1に必要なことが、項目として書いてあるので、まとまっていてわかりやすい。巻末のチェックシートは手元において、まずはじめたい。」
【出典】『1on1マネジメント』|感想・レビュー – 読書メーター
このように、おさえるべきポイントについてよくまとまっており、読みやすい本だといえます。
「職場で1on1を導入するにあたって購入した。具体的にフィードバックする側(マネージャー)が意識しておいた方がよい点がまとめられており、事前に目を通しておくとよい1on1になりそう。1on1制度を設計しテクに当たってその効果として何が期待できるかを考えることができる。」
【出典】『1on1マネジメント』|感想・レビュー – 読書メーター
マネージャーの方に加え、制度を設計する人事担当者や経営層の方にもおすすめの一冊です。
「内容が薄い。もう少し実際の実績や心理学、脳神経科学などで脇を固めて欲しい。」
【出典】『1on1マネジメント』|感想・レビュー – 読書メーター
一方、事例や学術的な記載は少ない印象です。導入例や学問的な内容を調べたい方は、他の書籍をあたるとよいでしょう。
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詳細はこちら「1on1マネジメント」の著者 松丘 啓司氏とは
この本の著者である松丘啓司氏(エム・アイ・アソシエイツ株式会社 代表取締役社長、株式会社アジャイルHR 代表取締役社長)は、アクセンチュア出身の人材・組織変革コンサルタントです。人材・組織変革の領域で約30年のキャリアを持ち、1on1ミーティングやOKRに関するワークショップ・研修事業を展開しています。
※2020-06-12現在
【出典】1on1navi | 1on1、OKR、リアルタイムフィードバックのサポートツール
「1on1マネジメント」はこれから1on1をはじめる上司が読むべき
今回は「1on1マネジメント」という本について紹介しました。これから1on1ミーティングをはじめる上司の方が、「ピープルマネジメント」という発想を学ぶ上で便利な本です。
読みやすい本ですので、流し読みをすれば、数十分から1時間少々で目を通せるでしょう。マネージャーの方が自身の1on1スタイルを見直したりするほか、人事担当者や経営者の方が1on1ミーティングの設計を行う上で、概要をつかむためにも役に立ちますよ。
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タイトル: 1on1マネジメント どこでも通用するマネージャーになるためのピープルマネジメント講座
著者:松丘 啓司(まつおか けいじ) エム・アイ・アソシエイツ株式会社 代表取締役
ページ数:180ページ
定価:1500円+税
出版社:ファーストプレス
発売日:2018年4月27日
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